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ルー・フェイの伝説

マジック・ツリーハウス/著・メアリー=ポープ=オズボーン 訳・食野 雅子 イラスト・甘子 彩菜 (日本語版)

ジャックとアニーは、ペンシルベニア州フロッグクリークに住む、仲よし兄妹。
ふたりは、ある日、森のカシの木のてっぺんに、小さな木の小屋があるのを見つけた。中にあった恐竜の本を見ていると、とつぜん小屋がぐるぐるとまわりだし、本物の恐竜の時代へと、まよいこんでしまった。この小屋は、時空を超えて、知らない世界へ行くことができる、マジック・ツリーハウス(魔法の木の上の小屋)だったのだ。
ジャックたちは、ツリーハウスで、さまざまな時代のいろいろな場所へ、冒険に出かけた。やがてふたりは、魔法使いのモーガンや、モーガンの友人マーリンから、特別な任務をあたえられるようになった。そして、魔法と伝説の世界の友だち、テディとキャスリーンに助けられながら、自分たちで魔法を使うことも学んだのだった――。


(以上、31巻 【これまでのお話】より全文抜粋)


29巻 ふしぎの国の誘拐事件

ジャックとアニーは1862年のアイルランド、ゴールウェイ州に来ていた。二人が探しているのはオーガスタという想像力豊かな女の子。今度のジャックとアニーの役目は、彼女の素晴らしい才能を本人に気づかせて、世界中の人を感動させられるようにすることだ。
それに、今回もキャスリーンが魔法のアイテムを二人に渡してくれた。アイルランドに古くから伝わる縦笛の形をした、ふしぎな魔法の笛。吹けば自然にメロディーが流れ、それに合わせて歌えば歌詞の通りのことが起こる。ただし、使えるのは一度だけ。
ジャックはその笛を古ぼけたオーバーのポケットにしまい、オーガスタの住むお屋敷を目指して、雨の降る真冬のアイルランドを歩いていた。


ところが実際に会ってみると、オーガスタは空想を一切認めない女の子だった。みすぼらしい服を着た二人を助けてくれたまではよかったんだけど、その親切な行動とは裏腹に、貧しい者を見下しているような言動が目立つ。挙句の果てには、二人がシェークスピアの舞台に立ったことや、文字が書けることすら信じようとしない。
これにはさすがのジャックも腹を立てて、ついに口げんかになってしまった。オーガスタも、戸惑いつつも自分の考えを曲げようとしない。
怒ったオーガスタは自分がどんな人間か証明するために、二人をある老婆に引き合わせることにした。メアリー・シェリダン―オーガスタの乳母で、ちょっと頭がおかしいと思われているその人に。

メアリーとの話はとっても楽しかった。彼女はアイルランドの妖精も、古くからの伝承も、そしてジャックとアニーの語る話もすべて信じていた。彼女には妖精が見える。ほかのみんな―教育を受けた人たちが、作り話と言い切る存在が見えるのだ。
だけど、オーガスタには妖精が見えなかった。ほかの誰よりも、その存在を信じていたのに。
慣習に縛られ、森で遊ぶことも本を読むことも禁じられた少女は、いつしかその存在を否定するようになった。
せっかくオーガスタには素晴らしい才能が―人々におとぎ話を語り継ぐ才能があるのに!


だからジャックとアニーはひと芝居打つことにした。メアリーの語ってくれたお話をもとに脚本を作り、魔法の笛にあわせて歌うことでオーガスタの前に妖精を呼び出すんだ。
かつてウィルが―ウィリアム・シェークスピアが二人に教えてくれたように。
演題はもちろん、【真夏の夜の夢】…ではなく、【真冬の昼の夢】。森のそばの川べりで、アニーが笛を吹きジャックが自作の詩を朗々と歌う――

地ひびきとともに 妖精たち
橋をわたって やってきた
白馬に乗った一団に 羽の生えた花の精
王冠をかぶった 王さまと女王さま


強い風、あふれる光。列をなして現れた妖精たちに、オーガスタはすっかり夢中になっていた。
「妖精だわ!ほんものの妖精だわ!」
ジャックも胸を高鳴らせ、ついに最後の節を歌いあげた。

まわるまわる 妖精たち
秘密のすみかへ 引きあげる
ひとりぼっちの女の子
光のうずに巻きこんで


「お兄ちゃん、だめ!」
あわててアニーが叫ぶ。だけどもう、止めることはできなかった。
歌の通りに光の渦が巻き起こり、強い風が過ぎ去った後には妖精はすべていなくなっていた。
ひとりぼっちの女の子―オーガスタを連れて!


困り果てる二人。するとそこに、小さな妖精・レプラコーンのウィリーが現れた。二人はなんとか彼を説得し、妖精のすみかへの案内を頼む。古い森を進み、いばらの茂みを抜け、ついには地底にある妖精の宮殿にたどり着いた。
身をかがめてそっと宮殿の扉を開ける。楽隊に合わせてに踊る妖精たち。そのなかに、赤いマントを羽織った女の子がいた。

「ああ……、オーガスタが、あんなに小さくなっちゃってる!」
楽しそうにダンスを踊るオーガスタ。だけどその大きさは、20センチくらいしかなかった。

ジャックもアニーも、もう魔法の力は使えない。もし失礼な態度を取れば、こっちが妖精の魔法でブタに変えられてしまう。
それでも二人は、妖精の王さまを、そしてオーガスタ本人を説得して地上に連れ帰さなくちゃいけない。
もちろん、元の大きさで!




31巻 インド大帝国の冒険

ジャックは緊張した面持ちで、ディワーネ・ワームの玉座の前に立っていた。
緊張の原因はいくつもある。ひとつは男の子の格好をして隣に立っているアニー。いまはジャックの弟のふりをしているけど、女の子だってことがばれたらただではすまないだろう。
この時代―十七世紀のインド、ムガル帝国の女性は、人前で顔を見せることは固く禁じられているからだ。

それに、今回の冒険は絶対に失敗しちゃいけない。テディが魔法の失敗で石にしてしまったペンギンのペニーを自分たちの力でもとに戻すためには、皇帝の持つバラのエメラルドがどうしても必要なのだ。
モーガン先生やマーリン先生ならペニーをもとに戻せるんだろうけど、あいにく二人とも留守。それにマーリン先生が戻ってきたとしても、テディがお咎めなし、ってことにはならないだろう。最悪の場合、テディは王国を追放させられてしまうかもしれない。

そしてなにより、目の前の玉座に座っている冷たい雰囲気の人物が、ジャックを極限まで緊張させていた。
ムガル帝国第五代皇帝、シャー・ジャハーン。偉大な皇帝の前ではいかなる無礼も許されない。作法を間違えれば厳しく罰せられ、この場で処刑されてもおかしくないのだ。
無表情の大人たちに囲まれながら、ジャックはことが無事に過ぎ去るのをただひたすら待っていた。


意外なことに、それは上手くいった。皇帝はジャックの【贈り物】を受け取り、二人はご褒美にバラのエメラルドを貰うことができた。なにもかもが順調で、後はフロッグクリークに帰るだけ!
……とはならなかった。皇帝陛下のお招きで、使節団はゾウのパレードを見学しなくてはいけないのだ。もちろん、断ることなど許されない。
ジャックがため息をついていると、アニーが言った。
「ゾウのパレードなんて、めったに見られないのよ。お兄ちゃん、見てみたくないの?」
はしゃぐアニーとは対照的に、ジャックはもう気が気でなかった。
「フロッグクリークでなら見てみたいよ。だけどここは、ちょっと礼儀に反しただけで処罰されるような国だぞ。パレードなんか見たって、楽しめるわけないじゃないか」
「だいじょうぶよ。わたしたちはただ見るだけだもの。何もおこらないわよ。それに何かあったら、魔法の秘薬を飲んで逃げればいいんだから。」
あっけらかんと笑うアニー。アニーが言っているのは、冒険の前にテディに貰った、からだが小さくなる水のことだ。魔法は時間が経てば自然に解ける。ひと口で十分、ふた口なら二十分、三口なら三十分。
…でも小さくなっている間なにも起こらないなんて、どうして言い切れるだろう?かつて妖精の魔法で小人にされてしまったオーガスタのことを思い出すと身震いがする。
「アニーは、よっぽど小さくなりたいんだな!」
ジャックはやけくそになって叫んだ。


そこから先の出来事は目が回るようだった。パレードの最中に突然暴れまわる一頭のゾウ、取り押さえて処刑しようとする衛兵たち。それを見過ごすことができず、あろうことかシャー・ジャハーン皇帝の前に進み出て直談判を始めるアニー。
なによりも驚いたのはその結末。お咎めなしどころか、そのゾウを二人にくれるというのだ!
「今日のことは、皇帝陛下の特別のはからいです。陛下のお気が変わらないうちに、早く立ち去ってください。」
【春風】と名付けられたメスのゾウは二人を乗せると、勢いよく外に走り出していった。

春風はその名前に反して、まるで暴風のように突っ走っていた。自分のふるさとを目指し、足下の人々など気にしないかのように、すべてをなぎ倒しながら。市場の屋台を、村の家壁をその太い足で踏みつけ、壊しながら突き進んでいく。怒り狂う商人たちも、荒れ狂う春風を止めることはできなかった。
村を抜けて草原を突っ切り、ジャングルの入り口まで来たところで春風はようやく止まった。大きく嘶いて、二人を振り落とすと―そのままジャングルの奥へと消えていった。


ジャックは腰をさすりながら吹っ飛ばされたバッグを回収した。バッグの口は空いていて、中のものが周りに散乱している。魔法の秘薬とか、大切なものは一通りあったけど…肝心のエメラルドがない!
必死になって草原を探し回ると、アニーが日の光を反射して光るエメラルドを見つけた。ほっとして取りに行こうとするけど……なにかがおかしい。茶色い地面がかすかに上下している。それはとぐろを巻いていて、黄色い縞模様が―
「黄色いしまもようの大蛇といえば……キ、キ、キングコブラだ!!」
そう、エメラルドがあったのは体長3~4メートルのキングコブラの巣。その宝石のそばで、猛毒を持つキングコブラのメスが、卵を守って眠っているのだ!!

「キングコブラに、魔法の秘薬を飲ませられたらいいのに。ミミズくらい小さくなってくれれば、そのあいだに、エメラルドをひろえるのに…」
アニーがつぶやく。それを聞いたジャックははっとした。
「アニー、その手があるじゃないか!」
「え?キングコブラに魔法の秘薬を飲ませるの?」
「ちがうよ。ぼくたちが小さくなるんだよ」
「わたしたちが?」
「キングコブラは、音が聞こえないから、ぼくたちが小さくなれば、たぶん気づかれない」
「ふんふん」
「視力はいいけど、それは、姿が見えればっていうことだ。だから、見つからないようにかくれていけばいい」
「なるほど」
「できるだけそうっと近づけば、空気の振動だって少なくできるし……」
「そうね!」
そうと決まればやることは一つだ。小さくなってエメラルドを回収するまで、ざっと二十分。ジャックは小瓶のふたを開け、思い切ってふた口飲むと、それをアニーに手渡した。
そのとたん、頭がクラクラして、深い穴に落ちていくような感覚があって――


「お兄ちゃん、目を開けて。まわりを見て!」
「うわっ!」
目を開けたジャックは、驚いてひっくり返った。さっきまで足もとにあった草が、木のように大きい。
「こ、こんなに小さくなるとは思わなかったよ!」
立ち上がって見ると、着ている服もバックも、みんな小さくなっている。身長およそ10センチってとこかな。
小さくなって見るジャングルは、様々な音にあふれていた。地面が近くなったぶん、これまで気づかなかった自然の営みが、ダイナミックに迫ってくる。野草の花が、美しい大輪の花に見える。木の実が巨大なスイカのようだ。
虫が苦手なアニーが巨大なコオロギに驚いたり、チョウやハチと少しの間戯れたりしていたけど…こんなことをしている場合じゃない。もとの大きさに戻らないうちに、エメラルドを取り戻さなくちゃ。

ジャックとアニーは、林のような草を分け、じゅうたんのように大きな枯れ葉をふみ、大木の幹のようなキノコをよけながら、進んでいった。石や木の根は小山をよじ登るようにして乗りこえた。大きな石や水たまりは、ぐるりとまわっていかなければならなかった。
二人はようやく日の当たる場所の近くまでやってきて、枯れ葉の間に光るエメラルドを見つけた。…のだけれど、ジャックはここで誤算に気づいた。さっきまで"小さな宝石"だったエメラルドが、いまは、バスケットボールほどの大きさに見える。
そればかりか、とぐろを巻くキングコブラは、まるで、ファンタジー映画に出てくる巨大なドラゴンのようだ!
二人は自分たちの身体をツタの葉っぱでカモフラージュして、すこしずつコブラに近づいていく。コブラは動くものに敏感だ。葉っぱのふりをして、ゆっくり、ゆっくり…
二人は緊張しながらもどうにかエメラルドを回収し、再びその場から離れようとする。なんとか無事に逃げられそうだ、と思ったそのときだった。
―ふたりの背後で、シシシューーーッ!と気味の悪い音が聞こえた。

ふり返ると、目の前に、うす黄色の壁のようなものが立ちあがっていた。それは、かま首をもたげた、巨大なキングコブラの胸だった。
目をあげると、ぱっくりと開いたコブラの口から、するどい剣のような牙がのぞいている。
「パ、パ、パ、パパコブラ……」
と、そのとき、前からも別の声がした。
シシシューーーッ!
向きなおると、眠っていたはずのママコブラも、かま首を持ち上げている。
ふたりは、二匹のキングコブラに、はさみうちにされてしまった。
二匹のキングコブラが、声を上げる。
シャアァァーーーッ!
「逃げろおっ!!」
一目散に逃げる二人。背丈よりも高い草をかき分け、丸太のような枝を飛び越えて。
ジャックも夢中で走る。だが、小さなからだでは、アリが逃げまどうようなものだ。それに、バッグに入れたエメラルドが重い!
コオロギやカブトムシが、あわてて草むらに逃げこんでいった。
キリキリ……、カッカッ……、シャカシャカ……、ズルズル……
ジャングルじゅうの音が、『コブラがすぐうしろに迫っているぞ!』と、ジャックに警告していた。

そのうち、足がもつれて、草の上に倒れこんでしまった。あわててふり返る。あたりを見回してもコブラはいない。
…それどころか、いっしょに逃げていたはずのアニーもいない!
(まさか、コブラは、アニーを追っていったんじゃ……)

アニー!どこだ、アニー!!

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女の子にはセンチメンタルな感情なんてないのよ

機巧少女は傷つかない 7 ~Facing “Genuin Legends"~/著・海冬レイジ イラスト・るろお

機巧魔術――それは魔術回路を内蔵する自動人形と、人形使いにより用いられる魔術。「誤解を恐れずに言えば、この夏、夜々と雷真は一線を超えました」「嘘……よね?」そんなわけで夏が終わり、〈迷宮の〉魔王グリゼルダのもとでの修行で実力を上げた雷真は、ロキやフレイとともに順当に夜会を勝ち進んでいた。だが、シャルが何者かの呪いを受け、人形サイズに小さくなってしまうという事件が起きる。一方で、学生総代にして、〈十三人〉の第三位、オルガ・サラディーンに迫られる雷真。そして、雷真とオルガの婚約が発表され――!? シンフォニック学園バトルアクション第7弾!
(以上、カバー裏あらすじより全文抜粋)


ヴァルプルギス王立機巧学院―大英帝国の機巧都市リヴァプールにある魔術界の最高学府。
そこに在籍する日本からの留学生・赤羽雷真(アカバネ・ライシン)―通称「下から二番目(セカンドラスト)」は、かつてない難題に直面していた。
学院でもトップクラスの実力を誇る才媛・シャルロットがなんの前触れもなく小さくなってしまったのだ。
原因は大昔の儀式魔術であるということ以外は一切不明。儀式魔術は呪術の類に近く、現代魔術で容易に解除することはできない。それどころか、強制的に解除しようとすると効果が永久(パーマネント)になり、二度と戻らない危険性すらある。
シャルロットは雷真が保護し、担任のキンバリーのもとで解決法を探ることとなった。普段の強気な態度はどこへやら、絶望的な境遇に怯えるシャル。彼女に恨みを抱いている人物は多すぎて、術者を絞り込むことすらできない。そもそもシャルに呪いをかけるほどの実力者なのだ、一筋縄でいくはずもない。
途方に暮れる雷真だったが―犯人は意外なほどあっさり判明した。


アリス・ラザフォード。虚像(ブロッケン)の魔法による変身能力に優れた狡猾な魔術師。そして、かつて雷真を殺しかけた少女。
学生総代オルガの姿に化けた彼女は臆面もなく自分が犯人であることを雷真に明かすと、呪いを解く条件を提示してきた。
「僕と<婚約>してほしいのさ」
「……婚約?おまえと?」
オルガに化けたアリスとの婚約。信じがたい話だった。もとより婚約者のいる雷真に受け入れられる話ではない。
―が、受け入れざるを得なかった。
もはや、アリス以外にシャルの呪いを解ける人物は存在しない。シャルの運命は彼女の掌に握られているのだ。

かくして、雷真とオルガの婚約のニュースは学院中を駆け巡ることとなった。
雷真に好意を持つ人物が次々と訪れ、罵倒し、失望し、そして去っていく。
小さな身体で不安に押しつぶされそうになるシャル、雷真のもとから姿を消した自動人形・夜々。
…それでも雷真はアリスとの約束を誰にも話すことができない。不本意ながらもアリスの思惑通り、駒として動く以上の選択肢は与えられていなかった。


キンバリーの見立てでは、呪いが完全に効果を発揮するまでせいぜい三日。
「……三日経つとどうなるんだ?」
「二度と元の姿には戻れない」
―もはや、時間が無い。

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切り取られた世界

1/12の冒険/著・マリアン=マローン 訳・橋本 恵 イラスト・佐竹 美保

アメリカのシカゴ美術館には、子供にも大人にも大人気の展示がある。実物の12分の1の大きさで作られた、68部屋のソーン・ミニチュアルームだ。
細部まで完璧に再現された豪華なミニチュアルームにあこがれるルーシーとジャックは、その中へ入っていける魔法の鍵を手に入れ、思いがけない冒険をすることに……。

(以上、カバー裏あらすじより全文抜粋)


ルーシーには自分だけの部屋が無い。ひとりきりで考えごとができる空間が無い。
原因は姉のクレアだ。ルーシーとクレアが一緒に使っている部屋は、クレアの大学進学のための資料やらスポーツ用品やら服やら、ありとあらゆるもので埋め尽くされている。ほとんどクレアの空間って言ってもいいくらい。
―断っておくけど、クレアはやさしい。ルーシーの知っているどんなお姉さんよりも意地悪じゃない。だけど、こうも自分だけの空間が無いのはルーシーにとって苦痛だった。クレアが大学に進学して家を出るまで、ルーシーだけの部屋がもらえるまで…あと2年近くもある。

だからかもしれない。ルーシーがソーン・ミニチュアルームに夢中になったのは。

その日、ルーシーは社会科見学の一環としてシカゴ美術館に来ていた。ルーシーの大親友のジャック、その母親のリディアが見学ツアーの案内人だ。リディアは画家で、芸術家や美術館には顔が効くのだ。
ジャックはルーシーと正反対の性格だった。とにかく自由で発想力があって、でも頭はとびきり良い。ルーシーが通う小学校6年生のクラスで、奨学金をもらっているのはルーシーとジャックだけだ。…でも、リディアは最近仕事が少ないせいか、ジャックも少しずつ貧乏な生活を強いられているみたい。教師の両親のおかげで経済的には問題無いけど自由が少ないルーシーと、母親の仕事は安定してないけどなにもかも自由なジャック。二人の性格は互いを補うように、相性ぴったりだった。
思ったより楽しい社会科見学が終わりごほうびとして自由時間が与えられると、みんなソーン・ミニチュアルームへとまっしぐらだ。ルーシーは初めてこの不思議な空間に足を踏み入れて―魔法にかかった。
目の前に広がるその小さな空間に、ルーシーは完全に心を奪われていた。せいぜい靴箱2つか3つ分くらいの小さな部屋。だけどそこには、ルーシーがずっと夢見ていた素敵な68の部屋がきらびやかな光を放っていた。あまりにも精巧なミニチュア、品のいい調度品、窓の向こうに描かれた風景―どれもかつて人が住んでいた部屋を模して作られたものだ。

E-17、16世紀後期のフランスのベッドルームを見つめながら、ルーシーはうっとりしていた。あの背の高い天蓋付きのベッドは、どんな女の子が寝ていたの?どんな寝心地なんだろう?いま、この瞬間をひとりきりで味わいたい。ああ、この中のどこかの部屋に住めたらいいのに――!


だけど社会科見学の後、ジャックがルーシーにある不思議なものを見せてくれた。'C'と'M'の飾り文字が彫刻された金属の鍵―ジャックが美術館裏側の通路でこっそり拾ったものだ!この鍵がなんなのか、全く見当もつかない。でも貴重品だとしたら…もう一度美術館に行かなくちゃ!

翌日、ふたたび美術館に来たルーシーとジャックは、あのミニチュアルームに来ていた。ジャックが言うには、鍵を拾った展示裏側の廊下に秘密がある、ということだ。そんなの根拠もなにもないのだけど、偶然にも裏手に通じるドアには鍵がかかっていなかった。ルーシーは好奇心に負け、周りの人の目を盗んで裏の廊下に潜入することにした。
…裏側にはなにもなかった。ミニチュアルームをメンテナンスするためなのか、裏側には表から見えないような位置に穴が開いていたり、箱に入ったミニチュアルームをつなぐ下枠があって…それだけ。
「鍵がはまりそうなところ、あったか?」
「もう一度、鍵を見せて」
ジャックがルーシーに鍵を渡した。ルーシーが鍵を触るのはこれが初めてだったけど―そのとき、なにかが起こった。
そよ風が吹いているかのように髪がなびく。靴が、服が少しずつ大きくなっていくような感覚があって―あわてて鍵を手放した。すぐに不思議な感覚は収まって、ジャックの目線はルーシーと同じ位置にある。…さっきはもっと上に見えていた!

この鍵にはなにかがある。ジャックが触れてもなにも起きないけど、ルーシーが触れたときにはなにかが―『魔法』が生まれている!ルーシーはちょっとだけ躊躇したあとで、今度はしっかりと鍵を握りしめた。
そよ風の感覚。ジャックが大きくなって、部屋がのびていく。服がぶかぶかになって、すぐにシュッと身体にフィットする。そんなことが何回か繰り返されて―変化が止まった。

ルーシーの身体は、13 cmに縮んでいた。元の身長の1/12―ミニチュアルームにぴったりの大きさに!

もうルーシーの好奇心は止まらなかった。こんなに心臓がドキドキしたことはない。
鍵を離せば元の大きさに戻れることを知ったルーシーはもう一度小さくなって、トランポリンみたいなジャックの手のひらに乗せてもらい、ついに裏側からミニチュアルームに入り込むことに成功した。昨日見たあの素敵なフランスの部屋―E17の部屋に!見物客の視線を盗んで入ったそこは―幻想の世界だった。
まるでおとぎ話に出てくるような素敵な部屋は、いまのルーシーの大きさにぴったりの大きさ!暖炉や彫刻、針編み刺繍まですべて当時のフランスのもの。なかでも目を引いたのは、昨日見た巨大な―13 cmの少女にとっては巨大な―天蓋付きのベッド!ダメ、もう、がまんできない!シルクのカバーに指を滑らせて、靴の汚れがつかないように足を上げ枕に頭を乗せる。うっとりするくらいにふかふか―。
「ママ、ママ、来て!見て!ちっちゃな人がいる!」
ガラスの向こうで声がした。見ると、6歳くらいの女の子がこっちを指さしている。ルーシーはその子が顔をそむけている隙にこっそり抜け出して…もとの通路に戻ってきた。

あともう一部屋だけ見てその日は帰ってきた。だけど、ルーシーもジャックもこの鍵の不思議な力がなんなのか、知りたくてしょうがなかった。だからもう一度、きちんと計画を立てて美術館に忍び込むことを決めたんだ。決行はルーシーの両親が出掛けて、クレアもいない日。
その土曜日の夜、ジャックの知恵でいろんな人に嘘をついて、裏の廊下に通じるドアの合鍵まで作って、二人はまたあの美術館の裏側に来ていた。

そこでまず分かったのは、ルーシーが縮むときにはルーシーの触れているものも一緒に小さくなるということ。服も、靴も、小物も。手を繋いでいれば、ジャックだって小さくなれる。戻るときも同じで、鍵を手放した時にジャックと手を繋いでいれば一緒に大きくなるし、もちろんルーシーだけ大きくなることもできる。そしてその魔法が効く範囲は、この美術館のあるエリアだけ―


二人は1/12のミニチュア世界を冒険するにつれ、いろんな不思議に出会う。小さくても演奏できる楽器や細部まで正確な模型など、あまりにも【精巧に作られ過ぎた】ミニチュアの謎。ミニチュアルームに本来あるはずのない、現代のものと思われる小さな鉛筆。ミニチュアルームの外に広がっていた当時の世界、そこで生活している人々―ルーシーとジャックは時空を超えていろんな時代の人と出会い、干渉していく。

ソーン・ミニチュアルームと鍵に秘められた『魔法』の正体を探し求め、夜の美術館で小さな冒険が繰り広げられる―!

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コオナゴ

モドキ/ほしお さなえ

世界には、特別な人とそうじゃない人がいる。特別な人だけが輝いて、愛されて、記憶される。でも、そうじゃない人は…?郊外のマンションに暮らす主婦が覗いたウェブサイト。そこに掲載されていた写真の中のミニチュアの女性は、自分とそっくりの顔をしていた。これは偶然?それとも…。密かに売買されるその人間もどきを巡り、切なく危うい物語が始まる。
(以上、amazonの紹介文より全文抜粋)


桐林は困惑していた。より正確にいえば、恐怖していた。
桐林は南多摩大学の植物研究室で助手を務める科学者だった。
かつて研究室のメンバーと行った南米探検で矮小化した植物群を発見して以来、ずっとその研究を続けていた。
研究を進めるにつれ、植物の矮小化の原因がウィルスのようなものによって引き起こされることがわかってきた。
―いや、違う。我々の知るウィルスとはそもそもの挙動が全く異なる。
さらに研究を進めるうち、桐林はこのウィルスに感染した植物から無数の矮小化体が生まれるところを偶然目撃してしまう。
これは何だ?こんなものが存在することが許されるのか?
明らかになっていく事実が桐原を追い詰めていく。
こんなものが、この世界に存在することが許されるのか…?
だが桐原の思いとは裏腹に、AIWと名付けられたこのウィルスは話題を呼び、研究は熱狂と拡大の一途をたどる…

ちょうどこの時期、生徒の間ではある2つの噂が広まっていた。
ひとつはミニチュアサイズのネズミのような生物が構内に出現したというもの。
もうひとつは、学内で頻発する女子学生の連続失踪事件についてのものだった。


ミナミカワは困惑していた。より正確にいえば、恐怖していた。
ミナミカワはいま、同じスーパーに勤めるマツナガの家に来ていた。
恐怖の原因はマツナガではない。確かにこの男はどこか異様なところがあるけれど、それでも目の前にいる【なにか】よりはずっとましだ。
目の前にいたのは少女の人形…人形だと思っていた。
―動いている。まるで、普通の人間を縮小したような。
「生きものなんですよ、これは。人に似てるけど、人じゃない。別の生きものなんだ」
「嘘」
嘘だ。こんな生きものがいるはずがない。
「ほんとですよ。喋らないし、たぶん知能も低い」
マツナガが目の前のそれに人形の服を着せる。着替えが終わると、それはあちこちを走り回り始めた。
「僕は……僕はですね。むかしから小さい女の人が好きだったんです。机の上に載るような、小さい女の人」
マツナガはそう語る。
ありえない、絶対に。
だが、マツナガにうながされて触ったそれの感触は―リアルだった。

その日から、ミナミカワはときどきマツナガの家を訪れるようになっていた。
あるとき、あの小さな人間モドキが近づいてきて、ミナミカワの手の甲を舐めた。
―一瞬、ぬるっとした。表面が、じゃなくて、中が。皮膚の内側にぬるっとしたなにかが這ったような気がした。

それからだ。ミナミカワの身体から、小さな人間モドキが出てくるようになったのは。
理解不能な言葉を話す【それ】は、ミナミカワと全く同じ顔をしていた。


カメイは困惑していた。より正確にいえば、恐怖していた。
カメイを悩ませていたのは自分の夫だった。最近はマンションの部屋に帰ると、いつも仕事や私への愚痴をこぼし続けている。会話をしようとしても、すぐに不機嫌になってしまう。
カメイは家にいる間、ずっと緊張していた。夫がなんなのか、わからなかった。
―昔はこんなんじゃなかった。こうなったのは、夫が保険会社に勤めるようになってからだ。
夫の収入は安定し、私たちの生活は豊かになったけど、私は幸せじゃなくなっていった。
相談できるのは、同じスーパーに勤めるカホちゃんだけだった。

暴れた夫に痛めつけられたリカちゃん人形を拾い上げる。カメイはまるで、自分が痛めつけられたように感じていた。
このリカちゃん人形は特別なものだ。自分が「藤谷あみ」という名で子役をしていたころ、記念に作ってもらったものだった。

小学校の頃はよかった。あの暑い夏の日。みんなと一緒に帰った帰り道。蝉の声。
友達のなかでも、子役であるあみは特別視されていた。
輝いていた。あのころは。

戻りたい。小さかったあのころに。


AIW。はじめてあのサイトを見たのはいつだっただろう。夫が眠ったあと、ネットであちこちのサイトを回っていて、偶然その画像を見つけた。
人間の手につかまれている小さな女。女の写真と手の写真をコラージュしているのだろうが、影や細かいところまで信じられないくらいうまく作りこまれていて、ほんとに小さい女が存在しているみたいだった。
サイトのなかには、いくつもそういう画像があった。shhrink girl―縮む女。どうやら、世の中にはそういう趣味の人たちが存在しているらしい。
画像を番号順に眺めて、最新の画像を開いたとき、ずきん、と心臓がつかまれたみたいになった。
この顔は……小学生のころのわたしだ。

わたしは子役だったころ、『科学レスキュー911』という特撮に出演したことがある。
「縮小美少女アミの悲劇」と題されたその回で、わたしは、いや藤谷あみは、変な薬のせいで小さくなる女の子を演じた。
アミは謎の工場にあった薬を飲み、リカちゃん人形くらいの大きさになる。偶然通りかかった男が小さくなったアミを拾い、家に連れ帰る。男はアミを溺愛し、アミが小さくなった原因の薬を手に入れ、アミのために動物や人間を縮小し、アミを女王にした国を作ろうとする。
最後、男は捕まりそうになり、アミを守ろうとして死んでしまう。アミは科学レスキューの力で元の大きさに戻ってめでたし、という内容だった。
わたしのリカちゃんはそのときの記念なのだ。小さくなったアミは、ちょうどリカちゃん人形と同じくらいの大きさだった。それで、現場のスタッフがアミと同じ衣装を作りリカちゃん人形に着せてプレゼントしてくれた。

わたしは毎晩AIWのサイトを見るようになった。
画像を眺めているうちに、自分がその画像にはいりこんだみたいになって、身体の芯がぼわぁっと熱くなった。
知らない部屋で変な薬を飲まされて、わたしはだんだん小さくなっていく。目がぐるぐる回り、なにもかもがどんどん巨大になっていく。
いつのまにか、指がキーを叩いて、勝手に物語を作りはじめていた。
自分で小説を書き、「藤谷あみ」という筆名でAIWに投稿するようになっていた。
そのうち、AIWと私はコラボレーションして作品を作るようになった。AIWが作った画像に合わせ、わたしが物語をつける。
タイトルは―「アミの小部屋」。『科学レスキュー911』のアミの回のサイドストーリーで、ドラマのなかでは描かれなかった、男とアミの生活を描いたものだ。
楽しくてたまらなかった。毎晩何時間もパソコンに向かって物語を書き続けていた。キーを打っているときだけ、身体の感触から離れられた。
つらいことに満ちた、現実を忘れることができた。

戻りたい。小さかったあのころに。

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ドッドソンもディズニーもナボコフもおとなもこどももおねーさんも

Alice's Adventures in Wonderland and Through the Looking-Glass/ The Original Classic by Lewis Carrol, Cover Art & Illustrations by Kriss Sison

CURIOUSER AND CURIOUSER! RE-EXPERIENCE LEWIS CAROLL'S ORIGINAL ALICE NOVELS WITH GOURGEOUS MANGA-STYLED ARTWORK! AN ALL-NEW EDITION OF A PERENNIAL CLASSIC!
―へんてこりんがどんどこりん!ルイス・キャロル原作のアリスのお話が素敵なマンガ調の挿絵とともにうまれかわる!不朽の名作の完全新作版!

(以上、裏表紙より抜粋。日本語訳は適当デス。)

昨年末ひそかに話題になっていた、アメリカ版「ふしぎの国のアリス」。今年になってようやく私も入手できたのだけど、洋書の宿命か購入方法が煩雑だったり、ネット上における情報の正確性が薄かったりして手元に届くまでに結構な混乱がありました。
というわけで、今回は本の内容だけでなく、購入方法や装丁・構成などについてもちょっとまとめてみました。


<入手方法>
出版元は"Seven Seas Entertainment, LLC"というロサンゼルスの会社であり、当然ながら日本では洋書の扱いになる。
ネットを利用して入手する場合にはamazonや楽天などのサイトを利用して購入すればよい…のだが、人気商品のため現在品薄。私はamazonで12月上旬に注文したのだが、手元に届いたのは1月はじめだった。Amazonにはまだ在庫はあるようだが、3週間程度は待つことを覚悟したほうが良いかも。原価は$14.99なので、大体1900円前後が相場か。

Amazonのサイト。安価なkindle版やハードカバー版などいろいろなフォーマットがあるように見えるが、本物(?)はひとつだけ。注文前にイラストの作者名でもう一度確認しよう。感想欄も新旧バラバラの作品に対するコメントが入り混じっており、どうやらサイトに不具合があるようだ。 1/11時点では、僅かながら在庫はある様子。
http://www.amazon.co.jp/dp/1626920613/ref=cm_sw_r_tw_dp_ZRMSub1S98FDP

楽天のサイト。1/11時点では在庫切れ。洋書売り上げランキングで常に上位に入っているあたり、人気商品であることが伺える。
http://books.rakuten.co.jp/rb/12885323/?scid=we_twt_upc443

あるいはいっそ本場アメリカの通販サイトを利用するのもひとつの手。日本よりも在庫の確保などにおいて確実性が高いので、言語の壁を乗り越えられるのであれば最も信頼できる方法だろう。以下はpowellsのリンク。
http://www.powells.com/biblio/9781626920613?&PID=33241

おまけでSeven Seas Entertainmentのサイト。ラインナップを見ると分かるが、主に日本のマンガやライトノベルの英語版を刊行している会社のようだ。QuinRoseの作品が充実しているような…
http://www.gomanga.com/


<装丁>
A5版のペーパーバック。ハードカバーほどではないが、しっかりとした作り。カバー等は無い。
めくってみた感じだと、字が大きくて読みやすいほか開いたまま相手に見せやすい構造になっている。本来が子供向けの商品なのか、ひざの上に本を開いて読み聞かせることを想定しているようだ。


<構成>
タイトルどおり、「不思議の国のアリス」と「鏡の国のアリス」が全編収録されているほか、巻頭に数枚のカラーイラストが、巻末にイラストのラフスケッチが収録されている。著者やイラストレーターのコメントやあとがきのようなものは無し。


<本文>
英語版ということもあり、原文のまま。ネズミの『尾話』などのギミックも完全に再現されている。日本語版では通例カットされることの多い数篇の詩についても収録されているので、あらゆる意味で完全版と言えるだろう。
日本語版の対訳はいくつも出ているので、原文を読みながらそれぞれの訳し方の違いを汲み取るのも面白い。
原文のニュアンスを重視するのであれば、以前紹介した角川つばさ文庫版をどうぞ。
新訳 ふしぎの国のアリス (角川つばさ文庫) http://www.amazon.co.jp/dp/4046310812/ref=cm_sw_r_tw_dp_j5NSub0657X0D


<イラスト>
本書における最大の目玉であり、日本で話題になった最大の要因。
ネット上では「萌え絵」とか「日本の影響が大きい」とかの意見が多く、裏表紙にも"MANGA-STYLED"との表現がある通り、日本人にも馴染みやすい絵柄。
ただ、日本の影響のみを受けているというわけではなく、むしろディズニーアニメ版の「ふしぎの国のアリス」や原作におけるジョン・テニエルの挿絵をかなり意識しているように感じた。例えばチェシャ猫はディズニー版と同様に紫の体色を持つ尻尾の太いネコとして描かれているし、顔が醜く頭身が低い公爵夫人のイラストはテニエル氏の影響が強い。
さらに、原作においてイラストが挿絵されている箇所には、原作とほぼ完全に同じ構図でイラストが挿絵されている。アメリカ版や萌え絵版などの呼称も分かるのだが、これらの点を考慮するに新しいスタンダード版のアリスと言っても差し支えないほどの出来栄えだ。このほか、いくつかのシーンで挿絵が追加されており、全般的にイラストが多い印象を受ける。
ただし、なぜかハートの女王だけは黒髪ぱっつんボブの気が強い巨乳美女というオリジナリティの強い絵柄になっている。これはこれでなかなか…
本が手元にある人は、以下のサイトでテニエル氏の挿絵とクリス氏の挿絵を比較してみよう。
プロジェクト杉田玄白 不思議の国のアリス http://www.genpaku.org/alice01/alice01j.html


<作者>
ドッドソン氏については多く語るまい。長くなるし。
イラストを描いたクリス氏はフィリピンのイラストレーター。詳細については検索すれば本人のFacebook等がヒットするので、deviantartのアドレスのみを記載する。どうやら日本のマンガやアニメに明るい方のようだ。
isangkutsarangmoe (Kriss Sison) http://isangkutsarangmoe.deviantart.com/

(以下、本編とは関係のない要素は折りたたみます)

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