スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

精神交歓ロストバージン・後

(前のエントリの続きです)

トラブルだらけの日の翌日。さすがに今日は家にいる、という操を残し、隆雄は単身学校へと向かう。
…内心では、隆雄は安心していた。本当はあいつといるのがだんだんつらくなってきた。というか、操のちっこい体を見るのがつらい。どうしてもアリかなにかのペットの面倒を見ている気分になってしまう。この悪夢はいつまで続くのか…いや、本当にあいつはもとに戻るのか?

そのとき、電車の中でまとまらない考えに耽っている隆雄に声をかけてきた女がいた。昨日の電車で隆雄を痴漢扱いしたクラスメート、美沢じゅん子だ。隆雄はおもわず身を引こうとするも、満員の電車の中では逃げ場なんてない。腹を決めてじゅん子に謝る隆雄、だがじゅん子も逆に隆雄に昨日の非礼を詫び、そしてとんでもないことを言ってきた。
「霧積くん(隆雄の苗字)なら、あたしかまわない…」
そういって、隆雄の唇に自分の唇を押し当てる。逃げ場のない電車内。驚く隆雄にじゅん子は溜め込んできた慕情を浴びせかける。
ずっと好きだったこと。それを操がいるからいえなかったこと。でも操がいなくなったいまなら。
話しながら、じゅん子はキスを繰り返す。隆雄はだんだんとそれを拒まなくなってきた。隆雄が考えるのは操のこと。かつて触れた、触れることが出来た操の唇の、身体の感覚。そうだ、こんなふうに…

「やめてぇ!どーしてそんなコトすんのよぉ!!」

―なぜか突然、二人の耳に操の声が聞こえた。しかも、至近で。しゃべりながら隆雄の髪の毛から飛び出したのは、小さな操。…それをみたじゅん子は悲鳴を上げ、泡を吹いて気絶した。

…とりあえず駅のホームでじゅん子を寝かせ、話をする隆雄と操。操が勝手についてきたことを問いただそうとした隆雄だったが、逆に操に責めれてしまう。なぜじゅん子のキスを拒まなかったのか、ほんとにやだったら、どうやってでも逃げられたんじゃないか。怒る操に対し、隆雄はついにずっと感じていた不満をこぼしてしまう。
「今のお前はアリンコみたいにちっこくて…存在を確かめたくても何の手ごたえもない―まるで実体のない幽霊にでも恋してるみたいだぜ」
…その言葉に、操は激昂した。ほんとはいままでも、身体が目当てだったんじゃないか。結局下心だけで付き合ってたんじゃないか。言い合いは続き、泥沼化していく。「やっぱり、隆雄クンはあたし自身を愛してくれたんじゃなかったのね!?」
操はそう叫ぶと、小さな身体を翻してホームの椅子から飛び降り、そして隆雄の前から姿を消した。

朝の通勤ラッシュの中、必死で小さな操を探す隆雄。―好きだからこそ、体じゅうで確かめたい、のに…
一方の操も隆雄に見つからないように隠れながら、それでもさっきの自分の言葉を後悔していた―もっとキレイな気持ちで愛し合いたい、結ばれたい、のに…男の欲求の対象とされているようで嫌だった。そんな想いがあたしを小さくした。そうか、これは心のどこかで望んだ姿なんだ―

半狂乱で操を探す隆雄は、やがて操が発車寸前の電車の上に吹っ飛ばされたことに気付く。なんとしてでも電車を止めたい隆雄は速度を上げてゆく電車にしがみつき、そしてホームの壁に激突して倒れた。電車は止まり、操は降りてくることができたが…
隆雄が気がつくと、鼻の上に操が乗っていた。涙ながらに、さっきのことを謝りあう二人。そして隆雄は操に短く、好きだよ、と告げた。二人はしばらく、ただ泣いていた。

操の家に帰った二人は、操の父から衝撃の事実を告げられる。…操の縮小が加速しているのだ。このままだと、操は本当に消滅してしまう…
自分がじきに消えてしまうことを知った操は、隆雄に今までの感謝と別れを告げる。好きだとゆってくれただけでうれしかった。もう気をつかわなくていい、と。それを聞いた隆雄は怒りながら、操に抱いていた気持ちをすべて伝えた。本当に大切にしていること、身体で触れ合えなくてもただそばにいたいこと。
その言葉で、操の心に残っていたわだかまりが融けて、消えた。―なにをおそれていたんだろう、あたし。隆雄クンはこんなにも優しいのに。

「隆雄クン…お願いがあるの……聞いてくれる?」「ん?」
「あたしを抱いて…」

続きを読む»

スポンサーサイト

精神交歓ロストバージン・前

磯野こずえ傑作集② ミクロガールSOS/磯野 こずえ

「ミクロガールSOS」

操と隆雄は熱烈なキスを交わす仲。操の両親も認める恋人同士、なのだが。
隆雄は操に身体の関係を求めてくる。…隆雄が本気で操のことを想っていることは分かっている。いつまでもこのままじゃいられないことも分かってる。分かっているけど…それでも操は、「それ以上のこと」を許すことができない。今日だって操は隆雄のボディタッチに耐え切れず、彼の部屋を飛び出してきてしまった。どうして男の子ってあんなふうにいやらしく体にふれたがるんだろう―

落胆と自己嫌悪にまみれて家に帰った操を迎えたのは、マッドサイエンティストの両親。今度は「連動式超能力開発装置」とやらを開発したそうで、実験体となる娘の帰りを待ち構えていたみたい。どうせ今回も失敗するんだから…
ところが頭に件の装置を着けさせられ、スプーン曲げの実験と称して言い添えられた父の一言に操は仰天した。
「いいか?男のアレだと思って愛情こめてにぎるんだぞ」
え、うっそー!こんなおっきなものが中にはいってくるワケー!?…ううん、あたしだっていつか、ううんもうじき、求められて、断れない日が来る?―いやよ、そんなの!そんなことなら、
―消えてなくなってしまいたい―

…と、電流が装置に流れた瞬間。突然、操は服を残して忽然と消滅した。なぜ!?まさか、スプーンを見てムラムラきた操が、彼に会いたい一心でハダカのままテレポートしたのかも!?と、一人早合点し興奮する夫を横目に、操の母は残った洋服を片付けようとする。…そのとき、誰にも気付かれずに、服から小さな影が床に転がり落ちた。―それは、数センチほどに小さくなった、操だった。

一方、当の操は体を押さえつける毛深いなにかに気付き、目を覚ます。自分を押さえつけていたのは巨大な…え、なに、怪物!?
追いかけてくる怪物から逃げ回っていると、周りの巨人?の会話が聞こえてくる。話しているのはパパと、隆雄くん!?なんでーっ!?世界がどうかなっちゃってみんな巨大に変わっちゃったのーっ!?あまりの事態に呆然とする操。背後の巨大な存在を一瞬忘れた瞬間、操は自分を追いかけていた怪物=飼い猫のマルガリータに食われ、再び気を失った。

その後、操の家から帰ろうとする隆雄に、マルガリータがいつものように捕まえたエモノを見せてきた。マルガリータがよこしたのは…操?
すぐさま操の両親のもとへと引き返す隆雄。どうやら超能力実験は成功してしまい、その結果として操の体は収縮してしまったようだ。なんでこんなことに、と騒ぐ操に対し、父はひとつの可能性を投げかける。
「もしかしてお前の潜在意識に、消えてしまいたいという願望があるのかもしれない…」
―とりあえずマシーンの点検修理をする、と言う当てにならない父は放っておいて、操は昨日のことを隆雄に謝る。隆雄も気にしてはいないようで二人はすぐに和解。でも、帰り際の隆雄の一言が、必要以上に操を悩ませる。
「操が欲しいよ…好きなんだ、もう、おさえきれないくらい…」

翌日。どうしても学校に行きたい、と主張する操に根負けし、隆雄は操を胸ポケットに入れて学校へ行くことに。ところが予想はしていたものの、隆雄は操を守ろうとするあまり必要以上にトラブルに巻き込まれる。満員電車の人ごみから操を守ろうとしたおかげで、クラスメートの胸を触ってしまい痴漢扱い。数学の時間には小さな操と話していたせいで変質者に見られる。極めつけは体育の時間で、鉄棒の大車輪で吹っ飛んだ操を助けようとして自分も飛んで行き、女子シャワー室にガラスを割ってダイブ!
一連のトラブルで落ち込む隆雄。気分転換よろしくいつものように操とキスしようとするが、今度は大きさの違いから狙いが定まらない。おまえからしてくれ、と操が決心して唇に突っ込むと…上半身すべてが口に突っ込んでしまった。あわてて口から操を引っ張り出す隆雄。しらけた空気…

落ち込む二人。口げんかになりそうだったけど、隆雄は操に対して謝り、指で優しく頭を撫でる…さびしそうな表情で。
―どうしてあたしの目をしっかり見ようとしないの?いーじゃないキスなんてデキなくても。あたしこのままで十分しあわせだよ―
そんなかたちで身体が触れ合えなくても、そばにいて自然なぬくもりを伝え合えるだけでいい。操は隆雄の気持ちに、優しさに十分満足していた。
だが隆雄は―

(続きます)

マイナーな王道

おねがい!マルチくん やぶうちっくユートピア② /やぶうち 優

「マイクロ・ろまんす」(点はハートマーク)

中学2年生の天野 守・通称モルは、同級生の天才科学者である匠くんのことが好き。みんなは匠くんのことを奇人とか変人とか言うけど、モルはそんな事は気にしない。席替えのときも隣に座ったり、理科なんて分からないのに同じ科学部に入ったりしたけど、匠くんが興味を示すのは発明についてのことばかり。今日だって、明日から夏休みだっていうのに匠くんは実験室にこもって変な機械を自作してる。でも明日からは毎日会えなくなるし、せめて今日くらいは一緒にいようとするモルだったが…

夏の日差しの下、知らない間に居眠りをしていたモルは、匠くんの声で目を覚ました。荷物を取ってくるから作った機械には触らないで待ってて、という匠くんの言葉には耳を貸さず、その機械―マイクロ光線を手に取るモル。懐中電灯のような形状のそれを握り締めた瞬間、うっかり機械のスイッチが入ってしまい強烈な光が放たれた。思わず手を離した途端、マイクロ光線は床に落ちて壊れてしまう。めまいを感じながらもなんとか立ち上がったモルが見たのは―遥かに遠くなった天井と、巨大な理科室の実験台だった。うそっ!?あたしほんとにちっちゃくなった!?
戻ってきた匠くんはモルの姿を見てビックリ。まだもとに戻す方法は開発してないし、明日からは実験室が使えなくなるし、おまけにモルはこんな小さな姿のままでは家に帰れないし…途方にくれるモルを手のひらにのせて、匠くんはこう言った。「そうだな…じゃとりあえずぼくの家に来るか?」

匠くんの胸ポケットに入れられて、大波のようなゆれに耐えながらも自宅の離れにある匠くんの部屋に連れてこられたモル。匠くんが部屋を出てった後、モルは机の端に腰掛けていろいろなことを考える。もとに戻らない限り、家にも帰れない。これからどうなるのか…考えていると、背中にモフモフした影が。匠くんの飼っているイヌだ!いつもはかわいいイヌなんだろうけど、こんな大きさだと逆にモルのほうがイヌのおもちゃだと思われてるみたい!イヌに舐められ、小突かれ、危うくつぶされそうになったところで匠くんが助けてくれたけど、今度はトイレに行きたくなってしまう。さすがに匠くんに手伝ってもらうわけにもいかないので、洋式トイレの端におろしてもらったけど…案の定、足を滑らせてトイレにボチャン!

サイアクなことばかりが続いてすっかり落ち込んでしまったモル。でも匠くんはやさしく気遣ってくれて、おまけにモルに必要なものをなんでも買ってくれるって!
夢にまで見た匠くんとのデート。可愛いお人形の服、素敵なドールハウス、紅茶のお風呂。そして傍にはいつも匠くんがいてくれる、夢のような日々。もうずっとちっちゃいままでもいいかな…
そんなことを考えていると、つけっぱなしだったテレビからニュースが流れてきた。テロップは『女子中学生 夏休み初日謎の失踪』、映っている写真は―モルだった。
『20日午後から行方不明の天野 守さん14歳ですが、捜索隊の必死の捜索もむなしく未だ消息はつかめておりません…』


ブログにエントリのある少女マンガが『天人果』だけだったので、ひとつそれっぽいのを載せようと探して見つけたのがこれ。『少女少年』のやぶうち優先生の短編集から王道的展開swストーリーを。
帯の作者コメントによれば、この短編集に収録されているマルチくんシリーズは少女マンガ版のドラえもんを意識しているということ。実際、マルチくんのキャラ設定は少しばかり癖があるけど、話の流れは便利な道具でトラブルが巻き起こるドラえもんの流れを汲んでいる。話がやや教育的で、結末が少しビターなことを除けばまさに少女マンガ版ドラえもんを体現しているといって良いだろう。
で、この『マイクロ・ろまんす』は、そのマルチくんシリーズのもとになった作品だそうだ。言うまでもないことだが、マイクロ光線は明らかにスモールライトを意識したパロディで、実はもう2つほどふしぎ道具のパロディが出てくる。まあ、スモールライトと違って、時間で効果が切れるということはないようだけど。

王道的swと表現したが、基本的に主人公の少女の視点でストーリーが組み立てられる少女マンガにおいて(※偏見です)、『小さくなって好きな男の子に世話をしてもらう』という展開は、読者層とも相まってかなり親和性がいい(※願望です)。小さくなったことで起こるトラブル、感じる不便、人形の服やドールハウスといった要素が少女マンガのsw作品でも良く見られるが、それらをすべて包含している作品にはなかなか出会えない。
この作品は雑誌『ちゃお』に掲載されていたものを収録したようで、そのせいか作品に流れる空気が非常にういういしく、清らかだ。セクシャル的な表現はほぼ完全に撤廃され、主人公の『女の子』と相手の『男の子』だけがくっきりと浮かび上がる。作品に登場する匠くんも、ほぼ完全な善人として描写されていて、そしてモルと匠くん以外には登場人物は現れない。このような閉鎖的な舞台装置の中で、ただモルの心情描写を通して物語が進行していく。私見で申し訳ないが、こういう点でも少女マンガとして王道的なのかな、とも思う。単に私がそういう作品を好きなだけかもしれない。

小さくなったモルの大きさは、大体15センチ前後か。縮小時は1コマで表現されるのだが、連続写真のような表現が用いられておりもとの身長からどの程度まで小さくなったかが実感しやすい(ちなみにこのコマに三角スケールを当ててモルの大きさを測ったら、約11cmだった)。小さくなって憧れの人の手のひらに乗り、胸ポケットに入れられる…という描写がモルの側からされているのもマル。以降、あらすじで書いたトラブルの数々も、さほど恐怖感やリアリティは感じないが、やぶうち先生の少女マンガタッチで可愛らしさが強調された描き方をされている。描写はほぼすべてが第三者視点によるもの。

ひとつだけ残念な点は、短編の読みきりのためかどうしても話が短いこと。約40ページの作品には詰め込みすぎともとれる展開を中だるみなく一気に読ませるのは作者の技量によるものだろうが、本音を言えばもうちょっと小さくなったモルのドタバタを見ていたかったかな。


大人のためのこどもの絵本

ママ ちいさくなーれ!(Mommy Go Away!)/文:リン・ジョネル 絵:ペトラ・マザーズ 訳:小風 さち
『ぼくがあそんでいると、ママはいっつも「あれしなさい!これしなさい!」っていう。
 もう!ママなんか、どっか いっちゃえ!ママ、ちいさくなーれ!』
(以上絵本帯より一部抜粋)

タイトルだけでビンビンきちゃう!と、不純な動機で購入。
中身は優しい母子の読み聞かせ絵本でした。私の心は汚れています。
あらすじは次の通り。

『いつもママに小言を言われるこどもの「ぼく」。怒って「ママ、ちいさくなーれ」と唱えると、ほんとにママは小さくなった。ぼくの小さなボートに乗せて、ママはお風呂の海へとさようなら。でも、ママはつよいから大丈夫だよね。』

終始風呂場のシーンで場面が進む、単純明快な立場逆転もの。「なみがきたらどうしよう?」「おおきなうみアヒル(お風呂場のアレです)がおそってきたら?」「おぼれちゃったらどうするの?」そんなママの不安に対して、ぼくは大丈夫、大丈夫と相槌を打つ、短いお話。「自分でなんとかしなよ」ではなく、「ぼくがたすけてあげる」というやりとりが、本当はママにいじわるしたいわけじゃない暖かい気持ちが伝わってくる。母子の立場が逆転し、ぼくがママの立場で話していることになるが、こういうやりとりができる当たりぼくはちゃんと母親の優しさを理解していたみたい。

冒頭に読み聞かせと書いたが、実際母親が子供に読んで聞かせることを想定して作られているようだ。こういったプロットだと、あんなに邪険にしてたママがいないと困ることがいっぱい、というストーリーを思い描いてしまうが、困るのは強がっていたママばかり。読み聞かせている「ママ」がハッとするようなお話になっている。「いつも つよいってわけじゃないの。たすけて!」というセリフは、読み聞かせている子供にどういう印象を与えるのだろう。

絵柄は子供がクレヨンで描いたような絵柄、とでも言えばいいのか、非常にシンプルで記号的、そして暖かい。カロリーヌの項でも書いたが、萌えとかを期待するようなものではない。
外国の絵本なのだが、原題「Mommy Go Away!(ママなんかどっかいっちゃえ!)」を「ママ ちいさくなーれ」と優しいことばに変えた翻訳者に小さく拍手。


ALICE IN WONDERLAND Picture Book/木下 さくら

不思議の国のアリスの絵本…と思ったら、これ絵本じゃなくてピクチャーブックらしいです。違いがよく分からないけど、子供が読むことを想定して描いたわけではなさそう。
ストーリーは結構忠実に原作をなぞっているけど、ノリがいいというかやたらテンションが高い。でも、実際の原作もこういうノリなので、親和性は案外良いみたい。私はあまりこの漫画家さんを知らないのだが、理不尽な世界観とか子供らしさが前面に表現されたアリスとかがきちんと描かれているあたり、結構真摯にアリスを愛しているのかなと感じた。というか、お茶会のシーンが原作どおりに描かれている作品を初めて見た気がする。
特筆すべきは各章ごとにアリスの外見が変わるということ。…説明が難しいが、チャプターが変わるごとにアリスの服装や髪型、髪の色までコロコロ変わる。全9章を通して、エプロンドレスのアリスから青髪のゴスロリ、ショートウェーブのアリスまでいろいろなアリスが出てくる。でも、どのキャラクターを見ても「アリス」と認識できるのは作者がきちんとアリスの記号を理解している証拠。アリス自体の展覧会というか、本自体もアリス世界の博覧会というか…うん?ピクチャーブックってそういう意味か?

アリスのもうひとつの見所はもちろん縮小化と巨大化!なのだが、どちらも描写はあっさり。どちらかというと巨大化のほうが見所があり、家の中で窮屈そうに大きくなるアリスは結構かわいい。でも、大きな仔犬のシーンはカットされてて…あれ、このレビュー、以前も書いた気が。
原作の不思議な雰囲気と、かわいいアリスの両方を味わいたいという人にオススメ。不思議の国のアリスはもともと言葉遊びがカギであり、日本語への翻訳が非常に難しい作品のひとつなのだが、ギャグテイストの軽いノリでその垣根を感じさせない、ある意味稀有な作品。

私が購入したのはハードカバー版だったらしく、小さな設定資料集が付いていた。ほか、安価なコミック版も販売されています。

ニーナと小鳥

ブレス オブ ファイア Ⅳ~うつろわざるもの~/カプコン

第2章 うつろわざるもの・第4部 王家の剣
BOFtitle.jpg

東側の国・ウィンディアの王女エリーナが現在休戦中である西の敵国・フォウ帝国の付近で消息をくらました。微妙な政治バランスのため大規模な捜索が行われないことに痺れを切らした有翼人である妹姫ニーナは、エリーナの幼馴染であるフーレン族の若き族長クレイとともに姉を探して西を目指す。しかし、途中で不思議な少年リュウと関わったことで、次第に大きな運命の流れに翻弄されてゆく…

―リュウの一行は情報を収集しつつ旅を続ける中、不思議な「動く鎧」マスターを仲間に加え、ついにエリーナの居場所についての手がかりをつかむ。そこは西の軍事施設。期待を胸に潜入した一行は、しかし帝国の宰相らしき男に見つかってしまい、東側連合国に強制送還されてしまう。
一通り騒ぎが収まった後、一行は東側連合の盟主国ルディアにて問責を受けていた。特に、リーダー格でありフーレン族の族長でもあるクレイは責任が大きいとされ、リュウたちとは別の部屋に軟禁され尋問を受けることに。なんとかクレイを助け出したいニーナは、同族の知恵を借りるためフーレンの里を訪ねることを思いつく。善は急げと、リュウたちはあまりやる気の無い監視役のサイアスを連れ、ルディアを発つ。

途中、一行はあやかしが出るという噂のパーウッズの森を抜けることになる。森の半ばまできたとき、ニーナは誰もいないはずの森から甲高い笑い声を聞く。深まる霧と怪しげな気配。はやく森を抜けようと再び歩き出すと…前触れも無く、突然ニーナの身体が小さくなっていった。
BOF1.jpg
BOF2.jpg
BOF3.jpg

その瞬間を見ていないリュウとマスターは突然ニーナが消えたようにしか思えない。一方のニーナは突然変わった景色にパニックを起こしかけている矢先、後からついてきたサイアスに踏み潰されそうになる。
BOF4.jpg
BOF5.jpg
ニーナがいなくなったことを不思議がるリュウたち。そんな一行をよそに小鳥が一羽飛んできて、ニーナがいたはずの場所から「なにか」を掴み、再び森の奥へと消えていった…
BOF6.jpg
BOF7.jpg
BOF8.jpg

続きを読む»

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。