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リアリティの尺度③

ベルダイン熱狂!―ソード・ワールドRPGアドベンチャー①―/山本弘
『フォーセリアに初のロック・ミュージックを生み出す(予定)男――リュクティ・アルバスノット。彼が愛器ストラトフォートレスⅡ世をかき鳴らすとき、世界は熱狂する!バード技能を持つ5人のキャラクターがベルダインを舞台に、夢と恋と友情の冒険を繰り広げるノンストップ・アドベンチャー、ここに開幕!』(以上、カバー背面あらすじより抜粋)

第1話 天の光はすべて星

ベルダインの中年衛視・フォークは困っていた。ここ最近、ベルダイン市内で頻発している人間が衣服だけ残して消失するという怪事件に頭を悩ませていたのだ。失踪者については若く健康な男女という以外の共通点が無く、犯人の動機も全く見当が付かない。ただひとつ、現場に残された衣服の襟元から魔法の薬品の反応があったことから「ピクシー・メイカー」による誘拐事件の可能性を疑い、高名なボー・クラモンを訪ねてきたのだが…
「いったい何度言ったら分かるんじゃ!お前ら衛視ときたら、誰でも彼でも犯人扱いするのか?」
…今度は目の前の偏屈な老人に頭を悩ませることになるのだった。
しかし確かにクラモン老の言うことは一理ある。服用で効果を発揮するピクシー・メイカーを通りすがりの者にいきなり飲ませるのは不可能だし、あの『いまいましい事件』が起こって以来クラモン家の倉庫の警備は厳しくなっており、ピクシー・メイカーが盗まれた形跡などどこにも無いのだ。どう考えてもピクシー・メイカー以外の魔法薬が使われたとしか思えない。
結局フォークは「クラモンのほかに魔法薬を作れるのは、占星術師のディーンという老魔術師くらいだ」という情報を貰い、退散していった…

「まったく、わしの貴重な時間を無駄に使わせおって!」
一方のクラモン老も腹を立てていた。せっかくの貴重な研究の時間を奪われたのだ―腹を立てるといえば、もうひとつ気に食わないことがある。最近雇った下働きの少年・ティリーが魔法薬の原料を買いに行ったきり、もう3時間も帰ってこないのだ。どこで道草を食っているのか…
だがクラモンは知らない。丁度その頃、ティリーが誘拐魔の犠牲となっていたことを―


「気がついたかい?」
―ティリーが目を覚ますと、目の前には金髪の少女の顔があった…いや、そもそも眠った覚えなど無い。それにここはどこなのだろう?ポツポツと枯れ木があるだけの荒れた盆地に見えるが、その周囲は10メートルほどの高さの崖に囲まれている。それに、空がとても奇妙だ。妙に低く感じる青空に、全く眩しくない太陽。周囲を見回すと、ティリーと同じく簡素な貫頭衣(しかも妙に目が粗い)を纏っただけの若い男女が大勢すすり泣いている。
まったくわけが分からない。クラモンさんに頼まれて下町の薬草屋に行く途中、灰色のローブを着た男にすれ違いざま顔になにかをかけられたことまでは覚えているんだけど…
「あたしはシャディ・ビーン。あんたは?」
「はい、ティリーです。あの、どうなってるんです?ここはいったい……?」
そうして二人がなおも会話を続けていると、離れたところで騒ぎが起きた。地面をかさかさと走り回る黒い昆虫が人々を追い回している!そのやたらでかいゴキブリはまっすぐこっちに向かってくる。数は全部で4匹!!
「シャディさん、これ!」
ティリーは叫び、枯れ木で作った即席の槍を手渡した。彼自身も枝を構えている。
「あんた、戦えるのかい?」
「ええ、少しは……」
「じゃ、やってやろうじゃん!」
そう言って二人は突進してくるゴキブリの怪物に対し、勇敢に身構えた……

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リアリティの尺度②

「猫だけが知っている」・ソードワールドRPGシナリオ集⑥

「猫だけが知っている」/山本弘

 クラモンの依頼からしばらく経ったある夜のこと。ベルダインの街を歩いていた冒険者一行がチャ=ザ神殿近くの通りを横切ったとき、突然酔っ払いが悲鳴を上げて飛び出してきた。「怪物が出た…ばかでかい真っ黒な猫の化物だ!」驚いた冒険者が神殿の裏門を見ると、そこには裸の女性が倒れていた。背中には爪でえぐられたような傷跡、降り積もる雪の上には一つの足跡しかない。不可解な状況に首を傾げながらもチャ=ザ神殿で彼女を介抱した一行は、彼女―クラモンの手伝いをしているジェシカという娘らしい―の言葉から、ジェシカの兄・ライルを訪ねることとなる。
 ライルという青年―クラモンの弟子の魔術師であるようだ―を訪ねてジェシカの大怪我を知らせると、彼は青ざめた顔で神殿に駆けつける。ライルはジェシカとしばし話し合った後、ジェシカの姉でライルのもう一人の妹・セリアの様子を見てきて欲しいと冒険者に依頼する。最近の彼女は様子がおかしく、『黒い大きな猫のような怪物』に怯えているとのことだ…冒険者一行がセリアの泊まっている『牢獄亭』に向かい、店の主人に鍵を借りて部屋に入ると、そこに探しているセリアがいた―全裸のままシーツで首を吊った死体として、だが。牢獄亭の名前の通り窓には鉄格子が嵌められており、出入口は一つしかない。テーブルにあったセリアの遺書から、衛視のフォークは自殺を疑うが…?
 冒険者が聞き込みを続けるにつれ、新たな謎が次々と浮かんでくる。食い違う町の人の証言。セリアの死体に残っていた手足の痣。現場に残されていた籐のバスケットと糸。事件のあったときに牢獄亭の窓の下から逃げていった黒い猫と、そこで見つけたごく小さな血痕…はたして黒猫の怪物とは何なのか?セリアは本当に自殺だったのか?
 そして冒険者が兄妹の雇い主であるクラモン老人に聞き込みを行ったとき、ある違和感を感じる。まるでクラモンが必要以上にジェシカに肩入れしているような。さらに暫く経った後、今度は執事のベイカーが冒険者達を訪ねてきた。なんでも、ピクシー・メイカーとその解毒剤が2つずつ倉庫から無くなっているとのことだが…
 
 前エントリに続くシナリオで、このシナリオをプレイするためには冒険者達が「とっても小さな大仕事」を終えている必要がある。プレイヤーは冒険者として事件を目撃し、ゲームマスターが断片的に与えるヒントから事件の真相を暴くことが目的となる。いわばホラー・サスペンス仕立ての推理シナリオであり、基本的に戦闘は発生しない。ただしその性質上、「センス・イービル」や「センス・ライ」を使える者はこのシナリオに参加できない。あと、ホントはジェシカ襲撃とセリアの死以外にもいくつかイベントが発生するんだけど、今回はカット。
 セリアの死亡状況はどう見ても密室殺人だが、それはあくまでも現実世界の話。数々の魔法とピクシー・メイカーという薬が存在するソードワールド世界のリアリティを基準に考えると、事件の全貌が見えてくるはずだ。上のあらすじだけだと必要な証拠が完全に提示されていないけど…

 以降は事件のネタばらし。その性質上改変の難しいシナリオなので、プレイに興味を持った人は読まないほうがいい。

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リアリティの尺度①

「猫だけが知っている」・ソードワールドRPGシナリオ集⑥

「とっても小さな大仕事」/山本弘

『ボー・クラモンは引退した老魔術師です。ベルダインの王城の近くの高級住宅街に、召し使いと二人きりで住んでいます。
 ある夜、台所でつまみ食いをしようとしていたクラモンは、亡き妻の思い出の結婚指輪を、誤って下水管に落としてしまいました。下水管は狭く、生身の人間が入り込むことは不可能です。下水管を掘り起こそうにも、市の許可が下りません。
 そこでクラモンは冒険者を雇うことにしました。魔法の薬で彼らを5分の1サイズに変身させ、下水管を潜らせようというのです。
 この任務は報酬はいいものの、ひどく臭い上に、見かけによらず危険に満ちています。普段はよく見かけるゴキブリやネズミも、5分の1サイズになった冒険者たちにとっては手ごわいモンスターだからです!
 このシナリオは、1~2レベルの冒険者、4~6人用にデザインされています。』(以上、冒険への導入より抜粋)

 なにこれ?と思った方も多いかもしれない。これは、T(テーブルトーク)RPGのシナリオ集からの抜粋で、日本ではもっとも有名なTRPGのひとつ、ソードワールドのシナリオである―そう、あくまでシナリオであって物語ではない。ゲームマスターの設定したシナリオを基に、プレイヤーが演じる(ロールプレイ)ことにより物語が生まれる、いわば物語の種とでもいうべきものだ。無論、シナリオや登場人物および細部の設定はゲームマスターの裁量しだいで変更が可能なように作られている。本シナリオの作者は、有名な山本弘氏だ。
 ソードワールドの世界には、身体を小さくするアイテムが大まかに2つ登場する。ひとつは「リビング・ドール」という毒薬で、シナリオ集⑤「闇からの脅威」などで登場するアイテムだ。効果は「女性に注入すると体長を30cm程度に縮めて仮死状態にするが、男性に使うと身体が膨張し怪物になり数時間で死に至る」というもの。一見swの要素があるようだが、実際は仮死状態の時間が長く、文字通り人形化の手法として用いられることが多い。さらに言えばこのアイテムは男性の怪物化の役割を担うことが多く、縮小目的の利用は副次的だ(※なお男女の効果が逆の「アンチ・リビング・ドール」というものもあるが、今回は言及しない)。「闇からの脅威」では、ゲストキャラクターが縮小化したものの、最後まで覚醒することは無かった。
 もうひとつが、クラモン老人により作られた「ピクシー・メイカー」。今回の話に登場する薬である。効果は「(抵抗に失敗した)対象の身長を1/5に縮める。小さくなるのは肉体だけで、服や装備は変化しないため、変身の途中で服は脱げ落ちる。服用により使用」。今回のような冒険にはうってつけの薬だ。対象の性別を問わず永続的に効果が持続するため、冒険者や対象が小さくなる目的で使われることが多い。
 このような型のストーリーは実際のプレイ記録―いわゆるリプレイと呼ばれるものがサイズ変更の要素を多分に含むので、サイズフェチの要素が生まれてくるという仕組みになっている。なによりプレイヤーはゲームマスターの指示の元、強制的にサイズロールを強いられるというシミュレーションを行うこととなるのだ。
 さて、以降でシナリオの展開を見ていこうと思ったのだが…なにぶんTRPGのシナリオそのものなので、他のエントリよりもネタバレの度合いが強い。仮にこのシナリオに興味を持ってロールプレイしてみたいと思うのであれば、あなたがゲームマスターで無い限り読まないのが賢明だろう。
 …個人的な好みでは、多少改変が加えられたシナリオのほうが好みなのだけれど。
 

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東京のおもいで

私用で東京に行ったとき、空いた時間に都立多摩図書館へ行き過去の学年誌をチェックしてました。
そこで確認できたsw(?)もの2点を紹介。国会こども図書館にも所蔵されているので、読みたい方はコピーサービスを利用するとわざわざ東京に行かなくても取り寄せ可能です。
また、今回扱う学年誌は国立国会図書館デジタルコレクションに含まれるので、サービス参加図書館が近所にある方はデジタル化資料の送信サービスが受けられます。詳しくは以下のリンクを参照。デジタルコレクションでは掲載漫画と目次も確認できます。
国立国会図書館デジタルコレクション:http://dl.ndl.go.jp/
図書館向けデジタル化資料送信サービス参加館一覧:
http://dl.ndl.go.jp/ja/soshin_librarylist.html
関連記事(INTERNET Watch)
:http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20140121_631546.html

今回の記事では、コピーサービスの利用を想定してページとカラーの有無を同時に記載します。


「スタイリッシュキャンディ」/田辺清巳 掲載誌:小学一年生 (or 小学二年生)
『エミー・セーラ・ルビー・ルナの四人は4.5cmしかない小人。でもそれぞれが不思議な超能力を持っていて、しかもほんの少しの間だけ人間大の大きさになって活動できるのだ!これはそんな4人組が、アイドルとして活躍するお話。』
小学一年生と二年生に連載されていたことから分かるように、低年齢層向けに描かれた作品。しかも各話4~5ページしかないので、話の展開がもの凄く速い!でも大きくなれる時間を仲間同士でやり取りできたり、大切なアイテムを無くして大きくなれずアイドル活動に危機が訪れたりと光るアイデアもあり、なかなか楽しめた。
小人が大きくなる話なので、正確には縮小女性ではなく小女子に分類されるのだろうか。たまにずっと大きいままの話もあります。
個人的には99年8月号のクモに襲撃される話が良かった。

以下小学一年生の該当ページ(小学二年生は調査していません)。大体がオールカラーでした。その場で取ったメモが不完全で、一部情報が不確かな箇所があります。
98.10/41-45p. すべてカラー。
98.11/52-56p. すべてカラー。
98.12/32-35p. すべてカラー。
99.1/54-57p. すべてカラー。
99.2/37-41p. すべてカラー。
99.3/48-51p. すべてカラー。52-53p.に同作品のバレンタイン特集。なおこの号で学年が変わるのか、一旦終了となる。
99.4/44(45?)-49p. すべてカラー。50-51p.に関連記事。特に何の説明も無しに話が続いててびっくりした。
99.5/43-47p. すべてカラー。
99.6/54-58p. すべてカラー。
99.7/51-55p. すべてカラー。
99.8/96-100p. すべてカラー。101-102p.に関連記事。
99.9/68-72p. すべてカラー。
99.10/56-59p. すべてカラー。
99.11/100-104p. 100p.のみカラー。98-99p.に関連記事(カラー)。
99.12/106-111p. 単色だったような…次で最終回なので、『次回へ続く』で終わる。
00.1/129-134p. 確かカラー。最終回。


「ミラクル・ミミちゃん」/島貴子 小学三年生
『ミミは背が低いことを気にしている小学3年生の女の子。ある日、草むらで小さな宇宙人を助けたお礼に不思議なペンダントを貰う。それを使えば自分の大きさを自由に変えることができ、しかもミミにしか使えないんだとか。半信半疑のまま、家に帰ってペンダントをいじってみるとなんと本当に小さくなってしまい…』
こちらは小学三年生に掲載。82~83年の比較的古い作品なのだが、知名度が低いのはもったいないと思わせる作品だった。
まず縮小化にアイテムを用いているため、小さくなったままペンダントを無くすと元に戻れなくなるという設定がところどころで効いている。加えて、本作品はパートナーとなるイタズラ好きの男の子(名前忘れました)がいて、唯一ミミが大きさを変えられることを知っていて協力してくれる、という点もsw好きとしては評価したいポイント。シチュエーションも小さくなってランドセルに潜り込んだり、誘拐犯から逃げ出したりとなかなか読ませる。
大きさを自由に変えられる、という点から分かるようにミミは巨大化もできる。ただし、大きさを変えられることは秘密なので、5メートル程度の大きさになったりすることが多く、校舎より巨大化するときはあるギミックを使った。縮小化と巨大化を駆使して問題解決する話もいくつかあり、話の組み立て方が上手くかつ子供でも分かりやすい作品。
惜しいのは、途中で秘密がばれそうになったり、急展開しそうな場面はあったのに何事も無くそのまま終わってしまったこと。もう少し続けられたんじゃないか、とも思ってしまった。

以下小学三年生の該当ページ。記載が無い限り、単色です。
82.12/101-120p. 101p.のみカラー。
83.1 作者急病のため休載。
83.2/151-165p. 一旦終了。
83.3 掲載無し。
83.4/225-244p. 何事も無かったかのように再開する。
83.5/152-167p. 
83.6/164-180p. 次回へ続く。
83.7/241-259p. さらに次回へ続く…ように見せかけて、別に単品でも読める。
83.8/260-274p. また次回へ続くような終わり方。
83.9/188-202p.
83.10/259-271p.
83.11/231-243p.
83.12/182-191p. 最終回。
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