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大人のためのこどもの絵本

ママ ちいさくなーれ!(Mommy Go Away!)/文:リン・ジョネル 絵:ペトラ・マザーズ 訳:小風 さち
『ぼくがあそんでいると、ママはいっつも「あれしなさい!これしなさい!」っていう。
 もう!ママなんか、どっか いっちゃえ!ママ、ちいさくなーれ!』
(以上絵本帯より一部抜粋)

タイトルだけでビンビンきちゃう!と、不純な動機で購入。
中身は優しい母子の読み聞かせ絵本でした。私の心は汚れています。
あらすじは次の通り。

『いつもママに小言を言われるこどもの「ぼく」。怒って「ママ、ちいさくなーれ」と唱えると、ほんとにママは小さくなった。ぼくの小さなボートに乗せて、ママはお風呂の海へとさようなら。でも、ママはつよいから大丈夫だよね。』

終始風呂場のシーンで場面が進む、単純明快な立場逆転もの。「なみがきたらどうしよう?」「おおきなうみアヒル(お風呂場のアレです)がおそってきたら?」「おぼれちゃったらどうするの?」そんなママの不安に対して、ぼくは大丈夫、大丈夫と相槌を打つ、短いお話。「自分でなんとかしなよ」ではなく、「ぼくがたすけてあげる」というやりとりが、本当はママにいじわるしたいわけじゃない暖かい気持ちが伝わってくる。母子の立場が逆転し、ぼくがママの立場で話していることになるが、こういうやりとりができる当たりぼくはちゃんと母親の優しさを理解していたみたい。

冒頭に読み聞かせと書いたが、実際母親が子供に読んで聞かせることを想定して作られているようだ。こういったプロットだと、あんなに邪険にしてたママがいないと困ることがいっぱい、というストーリーを思い描いてしまうが、困るのは強がっていたママばかり。読み聞かせている「ママ」がハッとするようなお話になっている。「いつも つよいってわけじゃないの。たすけて!」というセリフは、読み聞かせている子供にどういう印象を与えるのだろう。

絵柄は子供がクレヨンで描いたような絵柄、とでも言えばいいのか、非常にシンプルで記号的、そして暖かい。カロリーヌの項でも書いたが、萌えとかを期待するようなものではない。
外国の絵本なのだが、原題「Mommy Go Away!(ママなんかどっかいっちゃえ!)」を「ママ ちいさくなーれ」と優しいことばに変えた翻訳者に小さく拍手。


ALICE IN WONDERLAND Picture Book/木下 さくら

不思議の国のアリスの絵本…と思ったら、これ絵本じゃなくてピクチャーブックらしいです。違いがよく分からないけど、子供が読むことを想定して描いたわけではなさそう。
ストーリーは結構忠実に原作をなぞっているけど、ノリがいいというかやたらテンションが高い。でも、実際の原作もこういうノリなので、親和性は案外良いみたい。私はあまりこの漫画家さんを知らないのだが、理不尽な世界観とか子供らしさが前面に表現されたアリスとかがきちんと描かれているあたり、結構真摯にアリスを愛しているのかなと感じた。というか、お茶会のシーンが原作どおりに描かれている作品を初めて見た気がする。
特筆すべきは各章ごとにアリスの外見が変わるということ。…説明が難しいが、チャプターが変わるごとにアリスの服装や髪型、髪の色までコロコロ変わる。全9章を通して、エプロンドレスのアリスから青髪のゴスロリ、ショートウェーブのアリスまでいろいろなアリスが出てくる。でも、どのキャラクターを見ても「アリス」と認識できるのは作者がきちんとアリスの記号を理解している証拠。アリス自体の展覧会というか、本自体もアリス世界の博覧会というか…うん?ピクチャーブックってそういう意味か?

アリスのもうひとつの見所はもちろん縮小化と巨大化!なのだが、どちらも描写はあっさり。どちらかというと巨大化のほうが見所があり、家の中で窮屈そうに大きくなるアリスは結構かわいい。でも、大きな仔犬のシーンはカットされてて…あれ、このレビュー、以前も書いた気が。
原作の不思議な雰囲気と、かわいいアリスの両方を味わいたいという人にオススメ。不思議の国のアリスはもともと言葉遊びがカギであり、日本語への翻訳が非常に難しい作品のひとつなのだが、ギャグテイストの軽いノリでその垣根を感じさせない、ある意味稀有な作品。

私が購入したのはハードカバー版だったらしく、小さな設定資料集が付いていた。ほか、安価なコミック版も販売されています。
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