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ちいさなちいさなロリババア(肉親)

天原魔法骨董店/阿倍野 ちゃこ
『祖母・カノンが営む不思議な骨董店でバイトすることになった聡太郎。
 ところが初めて会う母方の祖母は、幼い女の子でしかも魔法使いだった!?
 ちょっぴりあぶない・二人の関係の行方は…?妖しくも切ないジャパネスク・ファンタジー!!』
(以上カバー背面あらすじより抜粋)

4話め「カノンと桜」

カノンの経営する天原骨董店も聡太郎の努力により、ようやくまともな商いができるようになってきた。魔法品を扱うオークションで仕入れた品々が、あやかし相手に売れるようになったのだ。中でも人気の商品は魔法のガチャガチャ。特に新しく仕入れた青いカプセルは、実物大の商品を小さくして入れることができる優れもの。開けると魔法が解除され本物が手に入る画期的商品。さらに一個だけ入っている紫のカプセルは、開けた者の願いを一度だけ具現化してくれるレアもので…
と、そこまでは良かった。話題が、商品から店の前に植えられた桜の老木の話に移ってからがまずかった。
桜は昔、カノンがじい様と店を始めたときに植えたもの。店と共に大きくなっていく桜の前で毎年じい様と花見をしていたけど、じい様が亡くなってからはずっと枯れたまま…
遠い目をして、かつての旦那との思い出を語るカノン。聡太郎にはそれがどうしても面白くなく、年寄りの昔話、と突き放してしまう。最愛のじい様―聡太郎にとっては祖父だ―をバカにされたカノンは怒り、目に涙をためながら聡太郎を罵って部屋へと引っ込んでしまった。後悔する聡太郎だったが…

部屋に戻ったカノンは愚痴をこぼしながらガチャガチャに使うカプセルの整理をしていた。本当は聡太郎と一緒にこの桜を見たかったのに…と、考え事をしていると、聡太郎がドアをノックする音が聞こえ、思わず手に持っていた青いカプセルを開けてしまった。しまった、と思う間もなく光があふれ、即座にカプセルが閉じる。
聡太郎が部屋に入ると、さっきまでいたはずのカノンがいない。聡太郎は結局、青いカプセルがひとつ窓の外に転がっていったことも、机の上に青玉カプセルの取扱説明書があることにも気が付かなかった。

※本製品はカプセルを開けたときに対象物を小さくして吸い込みます。危険ですので生き物に向けて絶対開けないでください。


窓の外、黒いネコが青いカプセルで遊んでいる。突然カプセルから声が上がり、中から出てきたのは―ミニチュアサイズに小さくなったカノンだった。カプセルを出たのに身体は小さいまま、おまけに魔法も使えなくなっている。何かがおかしい、と訝しがるカノンの背後に、ヌッと現れるさっきの黒猫。その目は先ほどまでの玩具で遊んでいた目ではなく…「小さな獲物」を狙う目だった。
ほうぼうの体で黒猫から逃げるカノンを助けたのは、イタチのような白い生き物―管狐だ。心強い味方を身につけたカノンはようやく店に…帰ろうとしてやめた。まだ聡太郎への怒りが収まっていなかったのだ。あの生意気な孫が謝るまでは店になんか帰るものか!このまま管狐に乗って、家出だ!
ところが、夜景が見渡せる木の上まで登ってきたときにひょんなことから管狐はカノンのもとを去ってしまう。さらにタイミングが悪いことにさっきの黒猫が現れ、逃げ回るうちに店に帰る道も分からなくなってしまう。少しずつ手足の感覚も失せてきて、まるで人形になったような―

一方、聡太郎は未だに店の中にカノンの姿を探していた。どこにもいない…と訝しがっていると、机の上からくすくすと笑い声がする。それは魔法のカプセルに封じられた子鬼達が話す声だった。
―カプセルに吸い込まれてお外に出て行っちゃったのよ、コロリコロリって―
―大変!だって朝までに戻らないと人形になってしまうのよ―
それを聞いて、聡太郎ははじかれたように店を飛び出す。夜空は少しずつ、東のほうから白み始めていた…
ジャパネスク・ファンタジーとの銘だが、実際には西洋の魔法やら錬金術が和洋折衷ごった煮になっていて、ゲゲゲの鬼太郎のような和製妖怪ものとははっきりと異なる作品。あやかしが登場するとはいえあくまでも舞台は現代日本、カノンの格好もゴスロリの魔法少女という出で立ちだ。
ただ、物語全体には不思議で幻想的な雰囲気が漂っており、正しくファンタジー作品である。まあ、真面目なファンタジーとラブコメの間を行ったりきたりしている感は少しあるが。あと、切なさはあまり感じなかった。

ラブコメ的な側面としては、特にお互い恋のライバルなどは登場しない。当然だ、カノンは幼い外見をしているが亡くした旦那を未だ想い続ける未亡人であり、聡太郎はその夫婦の孫なのだから。カノンの聡太郎に対する愛情は孫に向けられるもので、聡太郎は自分の祖父に嫉妬することも出来ない…というバックグラウンドなのだが、最後にとんでもないどんでん返しがある。今回の話で、カノンの縮小魔法が解除されなかったことにも関係しているのだけど…

肝心のswシーンだが、もともとの話が短めなこともあり、小さくなっている期間はごく僅か。黒猫に襲われて逃げ回るシーンもギャグテイストで描かれていて、リアリティや恐怖感は無い。が、この作品、驚くほど絵柄が美麗で繊細!管狐の登場シーンなど、白と黒のコントラストも相まって一幅の絵のようだ。小さくなって右往左往するカノンもとても可愛らしい。また、マンガ全体では「人形」がひとつのキーとなっている。人形化に興味がある人にもオススメ。

このマンガ、全体的にバックグラウンドというかウラ設定というか、いろんな伏線が詰め込まれているように感じるものの、それが十分に活かされる前に駆け足で強引に1巻にまとめてしまった感がある。設定も絵も魅力的なのに、どうして2~3巻程度まで続かなかったのか…
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