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学習漫画・社会編

チャレンジ漫画 日本の産業 第4巻 沿洋・養殖・栽培漁業/監修:西川 治

「ルビとイクラのサケ物語」/ まんが:大江 真徳 シナリオ:武良 竜彦

北海道に住む小学生の女の子、流美(ルビ)とお兄ちゃんの郁良(イクラ)は二人ともサケのことが大好きです。その理由というのは、ルビがまだ小学1年生だった頃に遡ります。ルビは家族と一緒に千歳にあるサケ・マスふ化場を見学に行ったのです。
海に旅に出て成長し、生まれた川に帰ってきて産卵するサケ。ふ化場でその生態に興味を持ったお兄ちゃんのイクラは、自然の川で生まれたサケの卵が見たいと言い出しました。そして石狩川に流れ込む小さな川で卵を探していたとき、なんといままさに孵ろうとしているサケの卵をみつけたのです!次々と卵から孵っていくサケを見て、おじいちゃんが言いました。
「無事にこのまま育って、海までいければいいね。」

―その夜、ルビは不思議な夢を見ました。気が付くと、パジャマを着たまま、昼に来たあの川のほとりに立っているのです。
「ルビちゃん。ルビちゃん。」
どこからか声がします。
「なあに?わたしをよんでるのは、だれ?」
そうつぶやいた途端、ルビの身体はぐーんと縮み始めたのです。河原の小石よりも小さくなって、水の中へと降りて行き―気が付くとおなかにピンクの袋をつけたサケの赤ちゃんが目の前にいました。
「あなた、前に、ここに来た女の子でしょ。」
そんなサケの赤ちゃんにルビは自己紹介をします。でも、産まれたばかりのサケの赤ちゃんには名前なんてありません。
そこでルビは仲良くなったサケたちに名前をつけてあげることにしました。歌うような女の子のルルちゃん。大きい目のジロくん。ワガママなタロくん。夢の中で、ルビは3匹のサケととても仲良くなりました。

それから少し時は流れて、ルビは2年生になりました。ある夜、また夢の中にあの3匹のサケが現れたのです!ルビの身体はやっぱり小さくなっていましたが、3匹は少し成長しておりおなかの袋も無くなっています。
それからというもの、ルビはこの不思議な夢をよく見るようになりました。一緒に川の流れに乗って、海へと旅をするのです。時には川に雪が捨てられたせいで水が汚れて寒い思いをしたり、滝つぼのような堰を滑り降りたり…
あるときなんか、川で遊んでいる人間の男の子に捕まりそうになったこともあります。でも、素手で川の水ごと掬い上げられたのは、サケではなく小さなルビでした。男の子がルビに驚いている間に、ルビは川に飛び込んでそのまま逃げることが出来ました。男の子はきょとんとした顔をしていました…
ルビは目が覚めると夢の話を家族にします。その話に興味を持ったお父さんは、ルビとイクラを海に連れて行ってくれました。そのとき、波止場で出会った釣竿をもった男の子は、ルビをみると驚いた顔をしました。ルビもその男の子を知っています。それは、ルビを捕まえようとした男の子でした―ルビの夢は、本当は夢なんかじゃなかったんです。

夢の中でルビとサケたちの旅は続きます。三年目の夏、海に出る頃には、サケはだいぶ成長していてもうすっかり大人の姿に近づいてきています。ルビとサケたちはアザラシやオットセイと鬼ごっこをしたり、コンブや海草の森でかくれんぼをして遊びます。…旅の途中でタロが死んでしまうという悲しい事故もありましたが、それでも残ったルルとジロは回遊を続けました。いつか、生まれたあの川に帰るために。

そんなある日、夢の中で旅を続けるルビと2匹のサケは、なんと漁師の定置網に引っかかって引き上げられてしまいました!ルルとジロが捕まるのを見て、ルビはおもわず漁師さんの手に飛びつきました。
「なっ、何だこれ!おまえ人魚か?」
ルビは落ち着いて答えます。
「ちがうわ、人間の子どもよ。ジロたちを生まれた川に帰してあげたいの。お願い!」
漁師のおじさんは少し戸惑った様子でしたが、やがてルルとジロを川に戻してくれました。最後にはルビも。優しいおじさんだったようです。

そうして旅を続け、ついにルルと2匹のサケは生まれた川にたどり着きました。明日、ルルとジロは生まれた場所に戻るといいます。だから、ルビともお別れです。元気でね、とルビは2匹に手を振って、目が覚めました。
次の日の朝、ルビがこのことを家族に話すと、家族みんなでルルとジロを見に行こうという話になりました。河原でキャンプを張り、川を見張っていると2匹のサケが遡上してきました。ルルとジロに間違いありません!家族の目の前で、ルルは産卵の準備をします。やがて準備が出来るとルルが卵を産んでジロが精子をかけ、ルルが小石をかけてまた場所を変え…それを続けて8日目、ルルは力尽きて川に浮いていました。ジロの亡骸も近くの川に浮いています。
ルビはルルの亡骸を抱き上げて少し泣き、そのまま川に流してあげました。さようなら、ルル。さようなら、ジロ。すてきな夢をありがとう。
学習漫画、というとたいてい思い出されるのは理科系の本が多いような気がする。小学校の図書館にコーナーが設けてあったり、学級文庫としてクラスに置いてあったり…学習参考書としての内容はもちろんのこと、マンガのほうも手を抜かずにクオリティの高い作品が多かった覚えがある。あさりよしとお先生の学研漫画で理科に興味を持った人も多いだろう…え、「からだのひみつ」で目覚めた?何に?

…話がずれました。今回取り上げたのは、小学校中~高学年を対象にした社会科の学習漫画。出版社も学研ではなく福武出版(現ベネッセ)である。この本も2編の漫画とルポ漫画が収録されており、当然掲載されていることはすべて事実なので今更ながらかなり勉強になる。

今回の話は、夢の世界で小さくなった女の子がサケと一緒に旅をすることでその生活史を学ぶというコンセプト。当然、サケの一生にスパンを合わせているので、最初小学1年生だったルビも徐々に成長し、物語が終わる頃には4年生になっている。サケの身体のほうも年齢に合わせて大きくなっているのだが、ルビも夢を見るたびサケと同じ大きさになっているようだ。

夢の世界で、ルビは2回現実の人間と関わる。一回目はまだサケが稚魚のときに男の子に掬い上げられるシーンで、ルビは大体親指くらいの大きさ。二回目はサケが成魚となったときに漁師に捕まるシーンで、こちらは15~20cm程度の大きさに描かれている。なかなか細かい。

縮小娘が登場する、ノンフィクションを交えた童話とみなすことも出来るのだが、元の話が少し切ないキレイなストーリーなので、邪な見方をするのがためらわれる作品。いや、学習漫画をそういう目で見るのは良くないんだけどさ。

ちなみに、イクラお兄ちゃんがあらすじで全然登場していないが、主に学習の方面を担当している。あと、タロが死ぬシーンは削ったが、ここのエピソードでちょっと活躍する。まあ、脇役であることは間違いないけど。

武良先生は熊本生まれの童話作家。ホームページも持っており、この話の元になった「ルルの旅」という物語が掲載されています。物語の挿絵はマンガと同じ大江先生だと思われます。
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