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人形サイズが比較的大きく思えるのは末期でしょうか

やまンこ! 1巻/原作・雑破 業 作画・井冬 良

"やまンこ憑き"。やまンことは山猫の転訛であり、「山の子」―すなわち山の神の使いの意。花猫の一族には時折このやまンこ憑きが現れることがある。
花猫音々子(かねこ ねねこ)もそのやまンこ憑きだった。やまンこが憑いているときは、勘が鋭くなったり身のこなしが素早くなったりと、ネコの能力を得ることができる…のだが、その一方でネコ耳と尻尾が生えてきてしまう。音々子はまだこの能力を上手くコントロールすることができず、驚いたり気を抜いたりするとネコ耳や尻尾が現れるという特異体質を抱えていた。さらに悪いことに、音々子は自分で意識してこのネコ耳や尻尾を引っ込めることが出来ないのだ。

そんな音々子が叔母の経営する骨董品屋「のの屋」を訪ねて都会へ出てきた日、2人の少女と運命的な出会いをした。
ひとりは里羽千実(さとう ちみ)。見た目も行動も小学生にしか見えない彼女は左目に霊視能力を持っており、普段の状態から音々子の尻尾が見えるという。
もうひとりは綿鍋眞琴(わたなべ まこと)。千実とは対照的に長身で極端に胸が無く、パッと見には男性に見える。ポエム作りが趣味な以外、特に何の能力も無い陰気な少女。だがその"陰の気"はやまンこ憑きの"陽の気"を打ち消すほど強く、触れることで音々子のネコ耳や尻尾を引っ込めることが出来る。
3人は高校入学の初日、偶然にも同じクラスに配属される。こうして、やまンこ憑きを隠しながら生活する音々子と、特異能力を持つ2人の不思議な高校生活が始まった―


第5話

あるよく晴れた日、眞琴はいつものように公園に来ていた。今日のおやつは、家庭菜園をやっているご近所さんから貰った、好物のキャベツ。一枚ずつめくって、少しずつモギュモギュと食べる。暖かい日差しの射す、幸せな午後。自然と眠気が…

―居眠りしていた眞琴が目を覚ますと…何故か全裸だった。横を見ると、ベンチに鎮座する巨大なキャベツ…理由は全く分からないが、眞琴は人形サイズにまで小さくなっていた!
とりあえずベンチから降りて、ズボンのポケットに入っていたハンカチを身に纏う眞琴だったが、そこに千実が能天気に歌を歌いながらやって来た。とっさにベンチの影に隠れる眞琴。千実は脱ぎ散らかされた衣服を見つけ、あろうことかパンツだけを取ってどこかへ走り去ってしまう。
災難はさらに続く。千実を追いかけようとした眞琴はカラスに捕まってしまい、そのまま上空に連れ去られていく。眞琴はバタバタと暴れてなんとかカラスから解放されるが、同時に真っ逆さまに落ちて行き、道を歩いていた音々子に頭から激突した。落ちてきたのが小さくなった眞琴だと気付いた音々子は、そのままのの屋に連れて行き、しばらく眞琴を『飼う』ことにするのだが…
「何かに驚くと耳と尻尾が出てしまう山猫(やまンこ)憑きの少女・音々子。
彼女を元の姿に戻せるのは、いつもおっとりした眞琴に抱きしめてもらうことだけだった。
電撃黒マ王で大好評連載中のガールズラブストーリーついに登場!!」(以上、1巻帯より)

あらすじからは分かりにくいけど、このマンガはいわゆるガールズラブ=百合ものに分類されるようだ。第1話では眞琴の性別があえて分かりにくく描写してあり、パッと見で百合に見えないようになってはいるが、ストーリーが進むにつれて音々子と眞琴の関係が少しずつ変化していく。というか、1巻を読んだだけだと主人公は眞琴のような印象を受けます。

ネコ耳と尻尾が突然生えてくるという音々子の特異能力そのものが直接的にストーリーに関わるということは特に無く、どちらかというと「それを鎮めるために眞琴に抱きしめてもらう必要がある」という設定を構築するためのものに思える。ストーリーはむしろベーシックな学校ラブコメものの流れを汲んでおり、メインのカップルが両方とも女性であること以外は驚くほど王道的な展開が続く…ような気がする。たまに微エロ程度の表現(下ネタ?)が出てくる以外は、非常にまったりとした時間が流れるラブコメ。『日常系』っていう分類になるのかな?個人的には嫌いじゃないです。

長身少女(内面は乙女)の縮小化については何回か取り上げたことがあるが、今回はその女の子が意中の(?)女の子にお世話されるという展開。タライのお風呂に入ったり、人形の服を着たりとベタなシチュエーションが続くけど、元が長身で女の子らしい格好に慣れていないという設定が活きている。あと、人形の服を実際に着たときって下着を着けていない状態…というかノーパンになるんですね。全然気付かなかった。気付く必要も無い気がするけど。

小さくなって落ち込む眞琴を励ます音々子が、「もし戻れなかったら一生面倒見てあげる」というシーンが個人的にツボ。話全体を通して、小ささを感じる描写はあまり無いのだけど、割と満足できる作品でした。起伏が少ないストーリーは意外性が無いとか面白みに欠けるという見方も出来るだろうけど、やっぱりこういう王道的な話は定期的に読みたいなあと思うのです。

あっ、ちなみに眞琴の外見を長身で貧乳って書いたけど、もうひとつ付け足すとメカクレです。両目ヘア。
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