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ドッドソンもディズニーもナボコフもおとなもこどももおねーさんも

Alice's Adventures in Wonderland and Through the Looking-Glass/ The Original Classic by Lewis Carrol, Cover Art & Illustrations by Kriss Sison

CURIOUSER AND CURIOUSER! RE-EXPERIENCE LEWIS CAROLL'S ORIGINAL ALICE NOVELS WITH GOURGEOUS MANGA-STYLED ARTWORK! AN ALL-NEW EDITION OF A PERENNIAL CLASSIC!
―へんてこりんがどんどこりん!ルイス・キャロル原作のアリスのお話が素敵なマンガ調の挿絵とともにうまれかわる!不朽の名作の完全新作版!

(以上、裏表紙より抜粋。日本語訳は適当デス。)

昨年末ひそかに話題になっていた、アメリカ版「ふしぎの国のアリス」。今年になってようやく私も入手できたのだけど、洋書の宿命か購入方法が煩雑だったり、ネット上における情報の正確性が薄かったりして手元に届くまでに結構な混乱がありました。
というわけで、今回は本の内容だけでなく、購入方法や装丁・構成などについてもちょっとまとめてみました。


<入手方法>
出版元は"Seven Seas Entertainment, LLC"というロサンゼルスの会社であり、当然ながら日本では洋書の扱いになる。
ネットを利用して入手する場合にはamazonや楽天などのサイトを利用して購入すればよい…のだが、人気商品のため現在品薄。私はamazonで12月上旬に注文したのだが、手元に届いたのは1月はじめだった。Amazonにはまだ在庫はあるようだが、3週間程度は待つことを覚悟したほうが良いかも。原価は$14.99なので、大体1900円前後が相場か。

Amazonのサイト。安価なkindle版やハードカバー版などいろいろなフォーマットがあるように見えるが、本物(?)はひとつだけ。注文前にイラストの作者名でもう一度確認しよう。感想欄も新旧バラバラの作品に対するコメントが入り混じっており、どうやらサイトに不具合があるようだ。 1/11時点では、僅かながら在庫はある様子。
http://www.amazon.co.jp/dp/1626920613/ref=cm_sw_r_tw_dp_ZRMSub1S98FDP

楽天のサイト。1/11時点では在庫切れ。洋書売り上げランキングで常に上位に入っているあたり、人気商品であることが伺える。
http://books.rakuten.co.jp/rb/12885323/?scid=we_twt_upc443

あるいはいっそ本場アメリカの通販サイトを利用するのもひとつの手。日本よりも在庫の確保などにおいて確実性が高いので、言語の壁を乗り越えられるのであれば最も信頼できる方法だろう。以下はpowellsのリンク。
http://www.powells.com/biblio/9781626920613?&PID=33241

おまけでSeven Seas Entertainmentのサイト。ラインナップを見ると分かるが、主に日本のマンガやライトノベルの英語版を刊行している会社のようだ。QuinRoseの作品が充実しているような…
http://www.gomanga.com/


<装丁>
A5版のペーパーバック。ハードカバーほどではないが、しっかりとした作り。カバー等は無い。
めくってみた感じだと、字が大きくて読みやすいほか開いたまま相手に見せやすい構造になっている。本来が子供向けの商品なのか、ひざの上に本を開いて読み聞かせることを想定しているようだ。


<構成>
タイトルどおり、「不思議の国のアリス」と「鏡の国のアリス」が全編収録されているほか、巻頭に数枚のカラーイラストが、巻末にイラストのラフスケッチが収録されている。著者やイラストレーターのコメントやあとがきのようなものは無し。


<本文>
英語版ということもあり、原文のまま。ネズミの『尾話』などのギミックも完全に再現されている。日本語版では通例カットされることの多い数篇の詩についても収録されているので、あらゆる意味で完全版と言えるだろう。
日本語版の対訳はいくつも出ているので、原文を読みながらそれぞれの訳し方の違いを汲み取るのも面白い。
原文のニュアンスを重視するのであれば、以前紹介した角川つばさ文庫版をどうぞ。
新訳 ふしぎの国のアリス (角川つばさ文庫) http://www.amazon.co.jp/dp/4046310812/ref=cm_sw_r_tw_dp_j5NSub0657X0D


<イラスト>
本書における最大の目玉であり、日本で話題になった最大の要因。
ネット上では「萌え絵」とか「日本の影響が大きい」とかの意見が多く、裏表紙にも"MANGA-STYLED"との表現がある通り、日本人にも馴染みやすい絵柄。
ただ、日本の影響のみを受けているというわけではなく、むしろディズニーアニメ版の「ふしぎの国のアリス」や原作におけるジョン・テニエルの挿絵をかなり意識しているように感じた。例えばチェシャ猫はディズニー版と同様に紫の体色を持つ尻尾の太いネコとして描かれているし、顔が醜く頭身が低い公爵夫人のイラストはテニエル氏の影響が強い。
さらに、原作においてイラストが挿絵されている箇所には、原作とほぼ完全に同じ構図でイラストが挿絵されている。アメリカ版や萌え絵版などの呼称も分かるのだが、これらの点を考慮するに新しいスタンダード版のアリスと言っても差し支えないほどの出来栄えだ。このほか、いくつかのシーンで挿絵が追加されており、全般的にイラストが多い印象を受ける。
ただし、なぜかハートの女王だけは黒髪ぱっつんボブの気が強い巨乳美女というオリジナリティの強い絵柄になっている。これはこれでなかなか…
本が手元にある人は、以下のサイトでテニエル氏の挿絵とクリス氏の挿絵を比較してみよう。
プロジェクト杉田玄白 不思議の国のアリス http://www.genpaku.org/alice01/alice01j.html


<作者>
ドッドソン氏については多く語るまい。長くなるし。
イラストを描いたクリス氏はフィリピンのイラストレーター。詳細については検索すれば本人のFacebook等がヒットするので、deviantartのアドレスのみを記載する。どうやら日本のマンガやアニメに明るい方のようだ。
isangkutsarangmoe (Kriss Sison) http://isangkutsarangmoe.deviantart.com/

(以下、本編とは関係のない要素は折りたたみます)
<サイズ要素>
最重要(真顔)。前述したとおり、原作でテニエル氏が描いたシーンについてはほぼ完全に網羅しており、『家の中で巨大化』『大きな仔犬』といった場面についてもちゃんと挿絵がある。「テニエル氏のイラストを現代のタッチで見たい!」という私のような者にとっては垂涎モノ。テニエル氏の挿絵では終始不機嫌な表情をしていたアリスも、クリス氏の絵だと表情豊かに好奇心の強い少女を表現している。巻頭のカラーイラストにサイズ系のものが無いのがちょっと残念かな。
忘れがちだが、『鏡の国』のラスト、小さくなった赤の女王を掴みあげるシーンもちゃあんとイラストがある。…なあんだ、子猫ちゃんだったのね。

…余談になるが、ネット上の情報だとこの本に『鏡の国のアリス』が収録されていることがあまり記載されていなかった。
2編のアリスを一冊の本にまとめる際は通常この題名が好んで使われているのだが、不思議の国のアリスの原題が"Alice's Adventures in Wonderland"であるのに対して、鏡の国のアリスの原題は"Through the Looking-Glass, and What Alice Found There"と後半部が省略されている。
原題を直訳すると「姿見を通り抜けて、そこでアリスが見つけたもの」となり、『鏡の国のアリス』という訳は不思議の国のアリスを意識した意訳となる。日本人にとっては、原題のままだとこれが『鏡の国のアリス』であるということがパッと分かりにくいのかな…
あるいは日本人にとって、鏡の国のアリスは不思議の国のアリスよりも知名度が低いのかもしれない。そもそも日本人にはマザー・グースの歌の数々があまり馴染みの無いものであり、幼少時からこれらの歌に慣れ親しんできたヨーロッパ圏の子供達と比較して…(以下略)
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